第89話

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2025/09/01 05:00 更新
髙木雄也(purple-sea)
髙木雄也(purple-sea)
…ねえ、ちょっとだけお話しできる?
彼…長谷が来た日の夜、俺は少年の
部屋の扉を叩いた。恐る恐る、と
いった様子で扉を開けた少年は、
怯えた目で俺を見上げた。
髙木雄也(purple-sea)
髙木雄也(purple-sea)
リビング、おいで
怖いことはしないからね、先に行ってるよ、と
言い残して扉から離れる。ずっと扉の前で
立っているとストレスだろうから。
何より怖いだろうしね。


ホットミルクを2杯準備していると、
少年が近づいてくる気配がした。
机の上にコップを並べ、皿の上に角砂糖と
クッキーを盛り付ける。少年と俺の間に
並べると、彼は空虚な目でコップを見つめていた。

彼の様子を窺いながら、コップに角砂糖を
一つ落とす。小さくぽちゃんと音が鳴り、
砂糖は姿を消した。
髙木雄也(purple-sea)
髙木雄也(purple-sea)
…いくつか質問しても大丈夫、?
もう質問をすることは確定なのだが、
長らく人と話していなかった俺には
これ以外に話を切り出す方法が見つからない。
有岡大貴(orange-gun)
有岡大貴(orange-gun)
……はい、…
少し声が震えていること、
敬語を外さないことなどが気になったが、
とりあえずは目をつむることにする。
髙木雄也(purple-sea)
髙木雄也(purple-sea)
…名前って、教えてくれる、?
目を泳がせながら俯く彼は、恐怖からなのか
小さくなっていた。そんなに俯いて
首が痛くならないのかと心配になるが、
おそらく慣れてしまったのだろうと推測する。
有岡大貴(orange-gun)
有岡大貴(orange-gun)
……ごめ、なさぃ、
小さくなって頭を下げた彼に思わず動揺する。
と同時に、あまりにも手慣れたその動作に、
彼が生きてきた環境の過酷さを思い知らされた気がした。
髙木雄也(purple-sea)
髙木雄也(purple-sea)
…謝んなくていいよ、大丈夫、
有岡大貴(orange-gun)
有岡大貴(orange-gun)
……ぼく、は、…だいき、です、、
…ありおか、だぃき、
小さく " だいきくん " と呟くと、
彼の体が大げさに震えた。
髙木雄也(purple-sea)
髙木雄也(purple-sea)
っあ…ごめん、
有岡大貴(orange-gun)
有岡大貴(orange-gun)
…ごめ、っ…なさ、
ぎゅ、と目を閉じて己の手を握り締めて
可哀想なほど震えている少年は、
正直言って見ていられなかった。

だけど、ここで目を逸らしてしまえば
俺たちの距離はいつまで経っても
縮まらない気がして、俺は
小さく震える少年を見つめた。
髙木雄也(purple-sea)
髙木雄也(purple-sea)
…ありおかくん、…で、大丈夫、?
有岡大貴(orange-gun)
有岡大貴(orange-gun)
っ……は、ぃッ、、…
" だいきくん " と呼びたいのが
本当のところだが、それに対する
恐怖心がすごそうなのでやめておいた。
髙木雄也(purple-sea)
髙木雄也(purple-sea)
じゃあ、…年齢は、?
わかる、?
有岡大貴(orange-gun)
有岡大貴(orange-gun)
……ねん、れぃ、、…
ぼそりと呟いた彼は考え込むように俯いた。
そんなに支配されていたのか。
…年齢すらも、思い出せないほどに。

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