第51話

ラストダウン
110
2026/02/07 06:30 更新
(三人称視点+ホークス視点)
夜。

公安施設の高い窓。

街はすっかりクリスマス色で、
イルミネーションの下、寄り添うカップルが行き交っている。

あなたは、窓に額を寄せるみたいにして外を見ていた。
あなた
……いいなぁ
ぽつり。
あなた
楽しそう
迅鷹が、少し困ったように笑う。
風見 迅鷹(かざみ じんたか)
羨ましい、ですか
あなた
はい
小さく頷いて。
あなた
普通の人みたいに、って思っちゃいました
迅鷹はそれ以上何も言わず、ただ「そうですね」とだけ返した。

――その少し後ろ。

ホークスは、壁にもたれて腕を組んでいた。
ホークス
ホークス
(羨ましい、か)
視線は、窓の外じゃない。

あなたの後ろ姿。

肩のライン。
窓ガラスに反射する横顔。
ホークス
ホークス
(……知らないんだよな)
自分が、どんな顔でそれ言ってるか。

胸の奥が、きゅっと締まる。

羨ましいのは、外のカップルじゃない。
ホークス
ホークス
(ああいう時間を、あなたと過ごしてる“誰か”が、だ)
ホークスは、小さく息を吐いた。
ホークス
ホークス
……あなた
呼ばれて、あなたが振り返る。
あなた
はい?
ホークスは、一瞬だけ迷ってから、いつもの軽い調子に戻す。
ホークス
ホークス
それ、今は無理でもさ
あなた
ホークス
ホークス
そのうち
視線を少し逸らさずに。
ホークス
ホークス
……ちゃんと、やるけん
あなたが、少しだけ目を丸くする。
あなた
……何をですか?
ホークス
ホークス
さあ?
肩をすくめて笑う。
ホークス
ホークス
未来の話
迅鷹が、小さくため息をついた。
風見 迅鷹(かざみ じんたか)
……重いですね
ホークス
ホークス
うるさい
でも。

あなたが、もう一度窓の外を見ながら、ほんの少し口角を上げたのを。

ホークスは、見逃さなかった。
ホークス
ホークス
(……待てる)
今は仕事。
今は任務。

でも。
ホークス
ホークス
(羨ましい、なんて言わせたままにはしない)
そう、静かに決めていた。

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