(ホークス視点)
珍しく、迅鷹の方から声をかけてきた。
来た。
絶対、来ると思ってた。
迅鷹は、少し間を置いてから言う。
俺は、変に誤魔化すのをやめた。
迅鷹の眉が、わずかに上がる。
一拍。
迅鷹は、ため息とも笑いとも取れる息を吐いた。
それ以上、何も言われなかった。
ただ。
その日の夕方。
あなたが、書類をまとめているところに近づく。
声が、少し裏返ったのが自分でも分かった。
一瞬、視線が泳ぐ。
言った。
顔に熱が集まるのが、自分でも分かる。
あなたが、きょとんとする。
数秒。
一気に明るくなる。
あなたが、すっと真顔になった。
噛んだ。
追撃。
冷静に。
頭の中、真っ白。
食い気味。
鋭い。
淡々と。
くるっと、迅鷹の方を見る。
あなたの前に立つ。
息、一つ。
はっきり。
逃げ道、なし。
場が、一瞬静かになる。
あなたが、ゆっくり瞬きをした。
小さく。
ほら、ほんとずるい。そうやって、期待しないように俺を弄ぶ。
それなら、こっちだって仕返ししてやろう。
即答。
あなたは、視線を逸らして。
どっちが。
小さく、息を吐く。
顔を上げて。
胸の奥が、一気に温かくなる。
抑えきれず、笑ってしまった。
仕事でも。
任務でも。
そう思える相手がいることが、もう、特別だった。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。