例えば、音楽の初めの4小節が流れたとして。
初めの音だけで、人を魅了出来るような、そんな曲に。
例えば、ワンフレーズを歌ったとして。
その声だけで、心に響く歌声で。
例えば、1曲をステージで披露したとして。
その時間だけで、その空間を変えられるような。
そんな、音楽を目指したい。
そんな、音楽を作りたい。
そんな、音楽を歌いたい。
____________音楽で、何処まで人を動かせるか。
暗闇に呑まれかけている人を。
部屋に篭って耳を塞ぐ人を。
前も後ろも向けない人を。
絶望しか残っていなくても、それでもまた聴きたいと、思わせるような。
____________うた?なにそれ、楽しそうだね!
きっと私は、それを通して、人を救いたいと思っているんだ。
____________私にも、あのステージで歌う事、出来るかな?
きっと私は、それを通して、世界を変えたいと思っているんだ。
____________いってきます。
____________皆さん、初めまして。久東律です。歌を歌います、聴いてください。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。