第4話

3
467
2023/02/07 06:43
side U



"「まさか何かされたの?」"

『あに、違うよヌナ、』




そう早口で焦ったように話すヌナに、
電話越しでも心配してる表情が浮かぶ。

仕事の途中だったみたいで、
時々タイピング音が聞こえてる。




"「ほんとう?」"

『うん、ほんと。だから心配しなくても大丈夫だよ』




少しそうして話してから
ヌナが怒られちゃう前に電話を終わらせる。



不仲、というか
僕が一方的に避けてしまっているだけで、
何かされたわけでもないけれど。




『……苦手、』




不意に目が合って、いつも勝手に気まずくて
なんとなく、避けてしまう。
そもそも人と付き合うの、好きじゃないし。




「まあ、向こうは違うみたいだけど」

『え?』




マネヒョンが僕の言い訳を聞きながら、
くしゃくしゃと雑に頭を撫でて笑う。

ほら、と見せてもらった携帯の画面には
彼のツイートがトレンドをかっさらっていた。



"大好きです。友達になりたい"



たったそれだけ。
普通なら何を指してるかも分からないのに。




「ふはっ、真っ赤じゃんか、あなた」




だから、苦手なんだってば。

プリ小説オーディオドラマ