第7話

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2023/02/11 11:36
side JM



「あなた~」




ジョングクがひらひらと手を振れば、
ぺこっとお辞儀をするあなたくん。

あなたくんの楽屋に凸った日以来、
こうして話しかけるようになってもう1ヶ月。

もともと会う機会が少ないけど
それにしても進展が無い。




「今日も逃げられてる」




会えて嬉しそうなジョングクを横目に
テヒョンアが相変わらずだと口を四角にして笑う。

なんていうか……
ぴゃっと隠れてしまう小動物みたい。
ジョングクに狙われて食われるかもしれないもん、
そりゃあ懐かないね。




「ヒョン今失礼なこと考えてない?」

「いや?全く」




じろ〜っとグガに見られ
俺も別の方向を向いたりして。

まあそんなジョングクも今日に限っては
少しばかり緊張してるらしいけど。




「あなた、」

『…?』

「このあとも撮影?」

『きょうは、おわり』

「じゃあ、一緒に…ご飯行かない?」




やっとまともに誘ったぞ、という
メンバー全員の心の声が揃う。




「たまには行ってみたらいいんじゃないか?」




マネージャーさんの素晴らしい助言に
安堵するジョングクは、
ようやく初ご飯に行くらしい。




「せめて連絡先は交換しておいでね」

「……貰ってもあげませんよ。」

「お前ヒョンを何だと思ってんだよ」




まあとにかく、頑張れ。
彼は色々ワケありみたいだから。

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