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頭に大きな衝撃を受けたことにより、あずさは恋人の記憶を失くしてしまいました。
忘れてしまったのは、海斗のことだけでした。
それ以外の記憶はあるにも関わらず恋人の記憶だけが、うたかたのように消えてしまったのです。
「そんな……どうして俺のことだけ」
海斗は愕然としました。
幸福だった日常から一転し、地の底に落とされたような心地に動揺を隠しきれません。
けれど、それはあずさも同じでした。
海斗と並んで満面の笑みを浮かべる自分の写真。
携帯には愛を紡ぎ合う海斗とのメールのやり取り。
それらを目にして、困惑します。
「私はこの人と付き合ってたのね……でも、思い出せない」
自分と海斗が恋人同士であることを理解はするも、記憶の中に海斗という人物はいない。
記憶と現実に混乱し、あずさは途方に暮れます。
そんな恋人の姿を見て、海斗は決心しました。
「辛いのはお互いに同じ。落ち込んでなんかいられない。大丈夫。きっとあずさは俺を思い出す。それまで……諦めない」
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。