第3話

       永遠に
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2018/04/02 13:12

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頭に大きな衝撃を受けたことにより、あずさは恋人の記憶を失くしてしまいました。

忘れてしまったのは、海斗のことだけでした。

それ以外の記憶はあるにも関わらず恋人の記憶だけが、うたかたのように消えてしまったのです。

「そんな……どうして俺のことだけ」

海斗は愕然としました。

幸福だった日常から一転し、地の底に落とされたような心地に動揺を隠しきれません。

けれど、それはあずさも同じでした。

海斗と並んで満面の笑みを浮かべる自分の写真。

携帯には愛を紡ぎ合う海斗とのメールのやり取り。

それらを目にして、困惑します。

「私はこの人と付き合ってたのね……でも、思い出せない」

自分と海斗が恋人同士であることを理解はするも、記憶の中に海斗という人物はいない。

記憶と現実に混乱し、あずさは途方に暮れます。

そんな恋人の姿を見て、海斗は決心しました。

「辛いのはお互いに同じ。落ち込んでなんかいられない。大丈夫。きっとあずさは俺を思い出す。それまで……諦めない」



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