街から出て山を登り始め約30分
とうとう 赤みを帯びていた夕焼けも 向こうの山で
完全に見えなくなってしまった 。
冬の北海道も昼間は暖かったのが嘘のように
夜になれば酷く冷える。
私の軽装がここで仇になるのも時間の問題だったようだ 。
バッグの中からスマホを取りだそうとバッグに
手を突っ込んだ所にふと視界に入る光。
温かい、懐かしい様な希望に溢れた光 。
私は惹かれる様に走った 。
この絶体絶命な危機を救ってくれそうな 途絶えては
いけない光に 思いを馳せ 雪でかじかみ感覚も鈍くなった足に力を入れて 無我夢中で走った 。
私から見て右に小さな子供、左には軍帽を被ったお兄さん。
そして…。。
状況が理解出来ない中銃を向けられては
恐怖でたまらず尻餅を付いてしまった。
脳内に逃げろと危険信号が送られる。逃げなきゃ殺される。でも女の子は止めてくれた、じゃあ何故死体の皮は剥がされ手に持っているのか ……。
様々な可能性が脳裏を過ぎるが 如何せん体が
びくともしない、恐怖で硬直してしまった。
おぼつかない足取りで二人の所へ向かい
こんな状況ではあるが軽く自己紹介を交わした。
小さい子はアイヌの少女であり名はアシㇼパと言う。
一方軍帽を被った人は杉元佐一と言った。
何とか状況を説明し、心優しい二人からの提案で
今日はアシㇼパちゃんの仮小屋に泊まる事となった。
初めは警戒していた様な杉元さんも、
私のしょぼくれた姿につい吹き出してしまった様で
こんな悲しそうな奴が悪者なワケがない。
と誤解も解け私を縛っていた緊張も心做しか
ほぐれていた。。。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。