えとさんがそう言った瞬間、
私はただ一目散に走った。
タッタッタッ!!!
まわりなんて気にしないで。
...えとさんが直前に、何かを言おうとしていたことも忘れて。
ただ、悲鳴の聞こえた方向へ一直線に走った。
えとさんが追いかけてくる。
るなを必死に引き止めるような、そんな声も聞こえた。
『待って』...?
何を言ってるの?
こんな状況で待てるわけないじゃんっっ!!!
大っっ事な仲間が!
助けを求めてるんだよ!?
なんで、、なんで!
見過ごさないといけないわけ!?
ごめん、えとさん。
私は待てないっ!!!!
タッタッタッ!
何キロ先なんだろうと、関係ない。
もっと速く!
速く...!
速く走ってよ!るなっ!!!!
...たぶん、2キロは走ったと思う。
ドサッ(倒れる)
苦しい。
頭が痛い。
足もすごく痛い。
上手く呼吸出来ない。
辛い。
暑い。
苦しい。
ここが道路のど真ん中じゃなくてよかった。
...だって、立ち上がれないんだもの。
のあさんだ。
のあさんが立っている。
...よかったぁ、無事で。
スッ(右手を伸ばす)
やっとの力で、
前に立っているのあさんに
手を差し伸べた。
のあさんの表情は、暗くてよく見えなかった。
るなは、
いつからのあさんが無事だと、
思い込んでいたのだろう。
.....立っていたから?
それだけで、
のあさんが無事だった、という
根拠にはなったのだろうか。
だって────────
立ったまま死んでいる可能性だってあったじゃないか。
それに、
夜の暗さを言い訳に、
のあさんの背後が見えていなかったじゃないか。
ドサアッ、バタッ(のあさんが倒れる)
暗さで全く見えていなかった。
のあさんの体。
のあさんの表情。
今全ての真実が、
一瞬で頭に入ってきた。
.....彼女の目に、
光はなかった。
体は傷がいっぱいで、
血だらけだ。
殴られた跡もあった。
必死に抵抗したことが分かった。
そして、、
彼女の心臓は、
綺麗に刺されていた。
彼女の白い服に、真っ赤な血が染み込んで、
白色の服、という原型が
分からないほどに紅く染まっていた。
そう、
つまり彼女は、
既に死んでいたのだ。
to be continued...














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。