第3話

2.
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2026/02/01 00:09 更新
あなた
え……?何言ってるの?
彼女は笑いと驚きが混じった声で聞き返してきた。
kgm
連れて行って欲しいんです。
私だって……ここに居ても意味なんてないと思いますし、何より貴女と一緒に居たいです
彼女は目を見開いて私を見つめた。

そして、きゅっと口を結んで私の手を両手で包んでくださった。
あなた
……分かった。
どこか遠くの知らないとこまで行こう。私はもう色々持ってきてるからさ、加賀美くんも準備して
そういえば、大きめのリュックを背負っていたのを思い出した。確か玄関に置いてあるが、本当にこのまま行くつもりだったと思うと少し寒気がする。
kgm
あ……はい!ありがとうございます!
えっと、何持っていけばいいですかね?
あなた
うーん、ちょっと待ってて
あなたの下の名前さんは私に背を向けて玄関へ歩いて行った。

戻って来ると、あのリュックを背負っていた。私の前でそれを下ろすと、ジッパーを開けて中に入れた物を見せてくれた。
あなた
私はだけどね、財布と、スマホと、あとゲームとか。
あと、だいぶ前に買ってそのままだったナイフも持ってきてみたりしてるよ
kgm
……そのナイフ、刃こぼれしていませんか?使っていなかったんじゃ……
あなた
ああ、家にあったいらないものとか色々切ってみたからかな?楽しかったよ〜。清々したっていうか
彼女はまた笑ってくれた。

理由は何であれ、少し無邪気な顔をしていて少し安堵する。
kgm
じゃあ、私も荷物をまとめますか
財布と、スマホと、食べ物と、それと……
あなた
デュエマ持っていくの?私わかんないから一緒に出来ないけど、いいの?
kgm
大丈夫です。持ってるだけで楽しいです
あなた
……そっか
kgm
……よし、まあこんなもんですかね。
どうしますか?もう行きます?
そう問いかけると、あなたの下の名前さんは、え、と言ってあたふたし始めた。
kgm
どうしました?
あなた
いやだって……服……
サイズの合わない服の袖をぎゅっと掴んでこちらを見つめていた。
kgm
…………あぁ!すみませんそうですよね!
洗濯終わるまで待ちましょうか!
選択が終わるまでは、この部屋にまだ2人でいることが出来る。それを嬉しく思ってしまっていた。

人殺しの貴女とダメ人間の私。これから始まる旅も、何だか上手くいくような気がした。

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