第16話

続き
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2023/04/16 06:46
恭「けどな、俺たちも何かしてあげたいんよ」

駿「…いいよ」

きょへ兄がそういうから、謙杜に水を飲ませたり、冷えピタを張ったりしながら昨日あった出来事、全て伝えた

見つけたときにはぼろぼろで気を失っていた事

いじめは女3人が俺と一緒にいる謙杜に嫉妬してやった出来事だという事

目覚めた時にはずっと迷惑だって気にしてた事



とりあえず昨日1日にあったこと、細かいところまで全て



そして

駿「謙杜は小学生の頃からずっといじめられてた
  いつからとかは聞いてないけど
  兄と比べられて、お前は兄に頼ってばっかの厄介
  者だって、言われたって」

自分の出来事でもないのに、また涙が出てきた

恭「よく話せたな。ありがとう
  この事、兄たちにも話してきていいか?」

泣いて喋れなかったため、コクンとだけ頷いた

恭「俺は下戻るわ
  謙杜の笑顔、救ってやれよ」

そう言ってきょへ兄は出ていった


笑顔を救え…か…


簡単そうで難しい。

謙「ん……ゲホッゲホッ」

駿「あ、起きた?
  おはよ」

謙杜が起きた…
泣いてた事がばれないようにしないと…

謙「駿…おはよ…ゲホッゲホッ
  さむい…」

駿「謙杜今熱あるから安静にしなよ
  毛布持ってくるな」

謙「うん…」

駿「はい」

謙「ありが…ゲホッゲホッ」

駿「無理して喋らなくていい
  でも喉乾いたとかトイレ行きたいとかは遠慮せず
  に言いなや?」

謙「ん…」

謙杜は昨日よりも弱ってるように見えた

触れただけで消えてしまいそう

消えてしまわないように、早く謙杜の「本当の」笑顔を見れるように、もっとなにかしてあげないと…

ガチャ

和「お粥持ってきたよ」

駿「ありがとう
  食べれるか分からんけど」

和「謙杜、無理して食べんでええからな
  無理やなって思ったらの残しなよ」

謙「うん…ありが…と…ゲホッゲホッ」

和「お大事にな」

駿「他のみんなにもよろしく」

和「はーい」


ガチャ


駿「お粥食うか??」

謙「今は、、いらない…」

謙杜がだんだん本当の事を言ってくれるようになった
いつもなら絶対無理して食べたはずだから、いじめに関して話せる存在ができて少しずつだけど、落ち着いてきているのだろう


謙「駿…??」

駿「どうした?」

謙「みんなに…気使わせてる……
  めんどくさいって思われてない…?」

駿「またそんなこと言ってる
  兄たちは謙杜の事が大切で、心配だから色々して
  くれるんだよ
  めんどくさいなんて誰1人思ってない」

謙「ほんと…?」

駿「本当」

謙「うぅ…グスッグスッ」

駿「胸ならいくらでも貸すから存分に泣きな
  色々溜まってるんやろ?」

謙「グスッいつも…学校で…グスッ気使われたことも、…グス
  ッ大切にしてくれたことも…なくて…グスッでも授業
  参観とかの時だけ…グスッ仲良さげにしてきて(泣) 
  うっグスッそれでっあの…グスッ」


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