6歳になった。
小学校に入学して美波と同じ学校になった。
それでもお兄ちゃんは暗いままだった
そんなある日、高専でお兄ちゃんと金髪の女の人が話しているのを聞いた。
私が好きなお兄ちゃんは優しいお兄ちゃんだ。
誰かを守るためな頑張るお兄ちゃんが好きだ。
こんなの聞いてない。呪術師はかっこよくて、憧れで、キラキラしてて、誰かを守るための場所だったはずだ。
どうにかして、前のお兄ちゃんに戻さないといけない。
非術師を見限らないで欲しい。
だって美波ちゃんみたいにいい子もいるし、優しい子もいる。
どうにかしなければいけない。幼いながらにそう思った。
絶対に叶わない願いを呟きながら家に帰った。
ここにいたら私までおかしくなってしまいそうな気がしてさっさと逃げらように立ち去った。
次の日 学校にて
美波がいつものように挨拶した。
お兄ちゃんの言葉が頭の中をぐるぐる回っていて美波まで憎んでしまいそうになった
いつもより元気のない返事に美波は首を傾げた。
あなたは迷いながら口を開いた。
断片的な情報しか言えなかったが美波は真剣に考えた。
美波はゆっくり、大人びた口調で言った。
あなたの目を覚ますためならそれだけで十分だった。
いつから勘違いしていたのだろうか。人には呪霊しかないと。
神はきっと性格が悪い。
だって人の悪いところだけを具現化するんだから。
私の力は「ありえないものを作り出す力」だから。
私の力なら人のいい心も見えるようにできるのではないだろうか。
硝子お姉ちゃんの反転術式と何かを組み合わせればできるのではないだろうか?
今までは朧げで霧のようだった夢が決まった。
私は人の好意を呪霊のように形にする。
もしも成功したのなら、その存在を『精霊』とでも名付けようか。
あの金髪のお姉さんは協力してくれるだろうか。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。