第7話

ごめんなさい。
74
2018/02/06 13:17
***

あなた…。
私が、引き留めていれば、あなたは…

火事のあと、私は優斗くんから連絡を受けた両親と兄に迎えに来てもらい、家へと戻った。その間、私はずっと泣いていた。お兄ちゃんは、そんな私の背中をさすってくれた。

別に慰めの言葉などかけてもらいたくなかった。罪悪感を余計に感じるのを恐れていたから。あの時、止めていたら、あなたがあんな目にあうこともなかったのかな。そんな思いが絶えることなく私の頭を駆け巡っていた。

そんな苦しい思いに縛られ、泣きじゃくりながら、私はいつの間にか眠りに落ちていた。

翌朝、目が覚めるとお兄ちゃんから、私のスマホが鳴っていたことを聞いた。暗い思いを抱えながら見てみると、そこには、優斗くんからの着信があった。私は、すぐさま、優斗くんにかけなおした。
雪美
もしもし!?
あなた、あなたは…っ!?
優斗
今から、病院に来てくれないか…
雪美
…わかった。
私は、寝癖も整えないまま、病院へ向かった。
それが、どんなことを意味するのかは、考えたくもなかった。

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