砂埃の舞う階段を駆け上る。
崩れて落ちてくる瓦礫を横目に、私達は一直線にとある場所へと突き進んでいた。
最上階、総統室に。
先程までの揺れが収まり、自分たちの足音と、揺れの産物による建物の不安定な音だけが響き続ける。
言葉を交わす余裕も、話せるような空気でもない。
ただ1歩1歩、最上階へと足を止めることなく突き進む。
無事でいて。
どうか1人で抱え込まないで。
もう1人じゃない。
皆がいる。
みんなが待っている。
だから、ねぇ、らっだぁさん。
どうか、
どうか無事で______
.......
最上階の入口で、私とコンタミさんは足を止めた。
その先の景色が、酷く醜く映っていて、
......
1つの影が、総統室の中に佇んでいる。
その姿に、
私は見覚えがあった。
その名前を呼んだ瞬間、一瞬にして私の目の前へと近付く。この一瞬の出来事に気が散り意識が逸れる。そして___
鋭い刃が私の眼球に触れそうになった時、コンタミさんの触手がその刃を素早い動きでたたき落とす。
1秒にも満たないこの一連の動きを目の前で見て、体勢が崩れる。
だが、
足を踏ん張り体制を直す。その勢いに乗せたまま、らっだぁさんの腕を掴み、こちらの方へと引っ張る。
恐らく、意識が混濁して敵味方関係なく攻撃を起こしてしまっているのだろう。
目が合う。
だがその目はまるで空っぽのような、意識が存在しない漆黒の淵しか映っていなくて、そこにはらっだぁ___いや、“水谷葵”という人物が居ないということを実感させる、気持ちの悪い感覚に襲われた。
コンタミさんの指示に従い、らっだぁさんから手を離し、離れた。
たったの数秒、ほんの一瞬の出来事で、酷く体力と精神の消耗を感じ、息が乱れる。横に立つコンタミさんは、多量の触手を出して戦闘状態へと変えて、1ミリたりともらっだぁさんから目を離さない。
一方、城外にて___
城の外、敵の数も減り周囲から溢れ出ていた騒音が消えかかっていた頃、1人の声が城門にて響く。
兵士やトラゾー、そしてきょーさん達の視線がクロノアに向けられる。その瞳はまさしく覚悟が決まっている、と言えるような様子だった。
クロノアの言葉に金豚きょーは頷く。
そして城の方に目を向けながら、話を始めた













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。