第16話

16
1,097
2025/02/26 16:47 更新



朝目が覚めると、"少し前に起きてた"と話すチェウォンに見つめられていて。


"おはよう"と優しく微笑むその姿になんだか少しだけドキッとした。


軽く部屋を片付けてチェウォンを家まで送ったあと、私はリビングへと向かった。






母
あら、おかえり
(なまえ)
あなた
ただいま~
母
チェウォンちゃん送ってきたの?
(なまえ)
あなた
うん、送ってきたよ
母
そう。チェウォンちゃん、相変わらず可愛いわね
(なまえ)
あなた
ふふっ…うん、そうでしょ。
母
付き合ってる人とかいないのかしらね〜
(なまえ)
あなた
あ、……どうだろう



そういえば私、小学校のときからずっとチェウォンと恋バナとかした事…ないな…


2階に戻ったあとも、お母さんの言葉が頭にこびり付いていた。




(なまえ)
あなた
(いや…でも多分、たぶんずっといなかったよね…?)
(なまえ)
あなた
(うわぁ…せっかく昨日恋バナする雰囲気になったのに私が遮っちゃったから…)




昨日の自分の言動に後悔しつつ、学生時代を振り返ってみる。


流石に小学生の時はいいとして、中高時代男の子と帰ってる様子を見たことはない。


なんなら先にチェウォンのほうが早く部活が終わっても、私を待ってることもあったし…


いや、でも休みの日も毎日一緒だったわけじゃないし…連絡とり合ってたとしたら分からないもんなぁ…






考え出したらきりが無くなってきて、私はベッドに倒れ込んだ。





(なまえ)
あなた
というか…何でこんなに気になってるんだろ…


昨日の晩から触っていなかったスマホを開くと、そこには不在着信が1つ。咲良さんからだった。





(なまえ)
あなた
📞もしもし…?
咲良
咲良
あ!あなた!
咲良
咲良
急で申し訳ないんだけど、
今日暇だったりしない?
(なまえ)
あなた
今日ですか…? 一応空いてますけど…
咲良
咲良
もしよかったら14時からシフト入ってくれないかな…1人体調不良で…
(なまえ)
あなた
あー、大丈夫ですよ。
咲良
咲良
ほんと!助かる…
(なまえ)
あなた
いえ…笑 じゃああとで向かいますね。
咲良
咲良
うん!ありがと!
(なまえ)
あなた
はーい



ちょっとゴロゴロしたい気分ではあったけど…


ま、気分転換ってことでちょうどいいか。










***




咲良
咲良
いやぁ…急に呼んでごめんね
咲良
咲良
本当に助かったよ、ありがとう。
(なまえ)
あなた
いえいえ…暇だったんで全然です
咲良
咲良
これ、お礼と言ったらなんだけど。
どーぞっ。
(なまえ)
あなた
えっ!いいんですか!?
咲良
咲良
ふふっ…うん。
これ好きだもんね、あなた。



そう言って咲良さんが出してくれたのは、咲良さんお手製のプリン。


昔ながらのシンプルで固めのプリンで、私の大好物。
だけど常時メニューにある訳じゃなくて不定期のレアメニュー。


単純に"毎日作るのは面倒だから"という咲良さんの気まぐれな訳だけど…笑




(なまえ)
あなた
あ、そういえば…
咲良
咲良
ん?
(なまえ)
あなた
咲良さんって、チェウォンと恋バナ
したりします?
咲良
咲良
恋バナ…?
咲良
咲良
うーん、あんまりしないかもなぁ
(なまえ)
あなた
ですよね〜…




咲良
咲良
……あっ、でも…こないだ気になる人がいる…みたいな話は聞いたよ。
(なまえ)
あなた
、えっ…ほんとですか!?
咲良
咲良
あ…もしかしたら言っちゃだめな
やつだったかも…




咲良
咲良
あなた、この話内緒ね。
私から聞いたって言っちゃだめだから。
(なまえ)
あなた
えぇ……


なにそれ…めっちゃ気になるんだけど……


咲良
咲良
じゃあ、逆にあなたは?
気になる人とかいないの?
(なまえ)
あなた
なんで私の話になるんですか…笑
咲良
咲良
チェウォンの秘密を知っちゃった
代わりに。
(なまえ)
あなた
咲良さんが勝手に口滑らせたのに
咲良
咲良
ほら…いいからいいから。
(なまえ)
あなた
……なんか1人だけ楽しそうですね。
咲良
咲良
そりゃあ楽しいでしょ。若者の恋愛話。



3つしか離れてないんだから咲良さんも十分若者でしょ…と心の中で軽くツッコみながらも、渋々会話を続ける。




(なまえ)
あなた
…いないですよ。好きな人も、
気になる人も。
咲良
咲良
えぇ? うそだぁ~
(なまえ)
あなた
嘘じゃないですって…笑
咲良
咲良
健全な若者は普通いるはずなんだけどな、




咲良
咲良
あ、ほら…前に来てくれたお客さんは?ミンジュちゃん、だっけ…珍しく会話弾んでたじゃん
(なまえ)
あなた
、ミンジュは…


ミンジュは…私にとって、どんな存在なんだろう。


たまたま街中で声をかけて、たまたま大学が一緒で…






でも…私が最初に声をかけたのは、ミンジュが気になったから…?


深く考えたこともなかったから、咄嗟の質問に答えが出てこなかった。



(なまえ)
あなた
逆にいないんですか?咲良さんは。
咲良
咲良
っな、なんで私の話になるのよ!
(なまえ)
あなた
あ、いるんだ。その反応
咲良
咲良
ちょっ…いないから!
(なまえ)
あなた
どんな人なんですか?背高い?
かっこいい系?かわいい系?
咲良
咲良
なんでいる前提…ていうか!年上を
からかったら痛い目にあうよ!
(なまえ)
あなた
あはっ、咲良さん年上な感じしないや笑
咲良
咲良
なにそれ…威厳がないってこと?
(なまえ)
あなた
いや、咲良さん可愛いから。






咲良
咲良
あぁ〜…あれだ。
咲良
咲良
あなた、そういうこと無意識に
言っちゃうタイプか
(なまえ)
あなた
?
咲良
咲良
裏でモテてたとしても気づかない
タイプね。
(なまえ)
あなた
なにそれ…笑
裏でも表でもモテてませんよ
咲良
咲良
いーや、知らないうちにファンクラブとか出来ちゃってるパターンだ。
(なまえ)
あなた
勝手に妄想し始めるのやめてくださいよ、
そんなマンガみたいな話ないんで…



その後も咲良さんとお喋りをして。
気づけば閉店から1時間ほど経過していた。


その中での私の収穫は、チェウォンに気になる人がいるということと、咲良さんに2年付き合っている彼女がいるということ。


聞いた話によると、その人とは大学時代に同じサークルに所属していた後輩で、なんと私たちの1学年上らしい。めちゃくちゃダンスが上手いんだとか。


正直咲良さんに彼女がいるとは思ってなかったけど、そりゃああれだけ美人だったらいるよなぁ。







ということは、チェウォンやミンジュに好きな人や付き合ってる人がいてもおかしくないということ。


この当たり前ともいえる事実に、私は少しだけ頭が痛くなった。







プリ小説オーディオドラマ