やま「だって俺といるのに、ゆうたのこと考えてるし。」
「たまたま同じようなことしてるから言っただけでしょ」
やま「そうだけど、違うし。あなたはゆうたのことばっかり特別扱いしすぎ」
「それぼんちゃんにも言われたんだけど、別に特別扱いしてるつもりないんだけどな」
やま「うーーん」
やまとが唸りながら私の肩に頭を埋めてぐりぐりしてくる
「なに、今日どうしたw」
いつもとは違う子供のような甘えた姿に少し微笑んでしまう
やま「ゆうたの家には泊まりに行ったりするじゃん。」
「編集のついでにね、それにゆうまの家にも泊まってるでしょ。」
やま「俺の家には泊まったことない。」
「うーん、それは確かに。」
それは事務所感が強くてなんとなく気が休まらないからとは言いにくい。
「じゃあ私も実家出ようかな。そうすればやまとも泊まりに来れるでしょ?」
やま「もう俺が全部お金出すから今すぐ引っ越してくれ。」
「おいおいwまず自分が引っ越しなさいよw」
やま「俺も引っ越したいけど!でももっと登録者増やして、もっとみんなで稼げるようになったら住めるくらい立派な事務所作りたい」
「何それ素敵。そんな事務所あったらもう自分の家いらないじゃん。」
やま「だめ。それだと他のメンバーもあなたと一緒に居れちゃうから、仕事の時以外は俺の家に住むの。」
「話変わってきてるな。今日ほんとどうした?やけに独り占めしたがるじゃん。」
ピコン
やまとの携帯がなる。
やま「もー誰だよー、せっかくあなたと居るのにー、、」
といいながら渋々確認すると、何かを考えるようにしばらく画面を見つめた後、返信はせずに携帯を置いて、また顔を埋めてくる
「仕事のメール?返信しなくていいの?」
やま「いや、仕事じゃなかったから大丈夫」
「そう?ならいいけど。」
そういうとやまとは急に埋めてた顔をあげて、私の後ろから前に移動して座り、また抱きついてきた
「??」
やま「もうちょっとちゃんと抱きついてよ。」
「?わかった。」
やまとに言われた通りにする。
すると、やまとは片腕を私の背中に回し、逃げられないようにすると、私が着ていた上着のジッパーをおろし、シャツのボタンを上から取っていく
「ちょっと、何してんの?」
やまとの急な行動にびっくりして少しやまとを遠ざけようとしたけど、力が強くて動かない。
やま「俺ってさ、結構独占欲強いんだよね。」
「なにそれ、急になんの」((ガチャ
玄関の扉の開く音がして、誰かが部屋に入ってくる
もう何でこんなタイミングで誰か来るの
ゆた「!、、、」
入ってきたのはゆうたで、びっくりした後何か言おうとしたように見えた。
「ゆうた、」
助けて欲しくてゆうたに呼びかけたが、私を無視して、机の下に落ちていたイヤホンを拾い、せっせと玄関のほうに行ってしまう。
ゆた「邪魔した。」
そう言ってゆうたは部屋を出て行った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。