ここからはエピローグとなります。だがこの言葉は野沢雅子さんに向けたある一人の医師の言葉である。
ある時病気になった少年がいた。その子はドラゴンボールが大好きでその年の映画をとても見たくなっていたが少年の余命は映画の公開日より前だった。でもそんな時に来たのがドラゴンボールシリーズの孫悟空の声優、野沢雅子さんであった。野沢さんは彼に言った。「ぜってぇー映画見に来いよ。映画館でぜってぇー待ってるからな。」これを聞いた少年は映画を見るために一生懸命頑張った結果無事にその年の映画を見ることができたという。歩いていけないからベッドのまま行って椅子に座ってみたいから椅子に座って見て、とてつもなく頑張った少年はその後翌日に息を引き取ったという。
その後、少年の担当医からこんな手紙が届いたという。
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僕達医師は人の命を少しでも永らえようと努力して勉強して来てるけどそれも出来なくて。だけどアニメの力ってなんなんでしょう僕今知らされました。
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と。この手紙を見て思う自分が没頭できることを一生懸命やれば余命宣告なんて関係ないと。
この小説もそうです。元は余命宣告なんてただの六ヶ月程度、でも手術と生きたいという意志がここまで生きさせたと実感できる作品だと思いました。
「死亡という言葉は新たな人生の幕開けである」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。