緑谷出久side
轟さんが、オールフォーワンと初代をそう呼ぶと、突然白い炎が上がった。
突然のことで、何がなんだか分からなかった。
ただ、死柄木だけがそれに動いて、轟さんたちに近づこうとした。
燃やした? 轟さんが自分を? なんで。どうして。
初代は、確かに言ってた。でも、だからといって、なんで轟さんが。
そんな…。
女の人は、死柄木の目の前に急に現れ、轟さんの人形を頭の上に乗せた。
轟さんの味方なら、なんでそんなこと。
そう言って、ドールさんはどこかに消える。それと同じときに、炎が消え、そこには何も残っていなかった。
設定…?
急に何言ってるんだこの人!!
個性を奪うって、「オールフォーワン」と同じ個性!!
オールフォーワンに酷似している個性…。
この人は、
悲しそうに3人がいた場所を見るこの人は、いつから生きてるのかは分からない。それでも、理解してくれる人がいないのは、とてつもなく苦しく辛いのだろう。
え……。
あ、あの見た目で、オールフォーワンと初代よりも???
僕たちが唖然としている間にいなくなっていた。
死柄木は何も言わずに、轟さんたちのいた場所の近くでうずくまっている。
こうして、僕たちの戦いは幕を閉じた。
ヴィラン連合及び超常解放戦線、ダツゴクたちの逮捕。
そして、
「悪の帝王」オールフォーワンとNo.1ヒーローの娘轟あなたの死亡。
轟さんの死は、僕たちヒーローにも、ヴィランにも大きな傷を残した。
麗日さんに血を渡し死んだかと思われたトガヒミコ、自壊するほどの熱により死ぬかと思われた荼毘は、一命を取り留めた。
ヒーローとヴィランに目立った傷は残っておらず、決戦で負った傷は全て癒えていた。
その後、復興作業をし、雄英は卒業式を行った。
先輩たちの要望だそうだ。
青山くんは自主退学という流れになった。
青山くんなりのケジメらしい。
教室に入ってきたのは上機嫌なトガヒミコと気まずそうな荼毘、不機嫌なのを隠そうとしない死柄木。
死柄木の頭の上には、轟さんの人形がいた。
轟さんの?
じゃあ、こうなることをあらかじめ予想して、
敵だとあれだけ脅威だった3人も、こうしてみるとただの人で、僕たちとあまり変わらない。
轟さんの遺したモノ…。
じゃあなんで何か遺してるって。
何かまでは教えてくれないのか。
























編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。