第61話

sixties
753
2024/09/08 15:21 更新
晩香堂





武装探偵社・守勢ディフェンス
江戸川乱歩
江戸川乱歩
あ〜、暇だ〜
外に出たい
福沢諭吉
福沢諭吉
監視映像に異状は無いか
与謝野晶子
与謝野晶子
退屈な映像ばかりだねェ
福沢諭吉
福沢諭吉
この講堂に侵入する為には、
地下の廃路線を通る他無い
福沢諭吉
福沢諭吉
敵が侵入して来たとしても
路線内の監視映像によって
事前にそれと知れる
与謝野晶子
与謝野晶子
道中は罠も満載だしね
江戸川乱歩
江戸川乱歩
戦争なんて退屈だよ
江戸川乱歩
江戸川乱歩
駄菓子の備蓄も半日で尽きたし
江戸川乱歩
江戸川乱歩
そうだ!
与謝野さん、此で花札やろ!
与謝野晶子
与謝野晶子
おやおや何を賭けるんだい?
瞬間、画面を見る彼の目は鋭くなった
















森鴎外
森鴎外
敵拠点攻撃は
何時だって心躍るね
森鴎外
森鴎外
早速次の奏楽ギフ
森鴎外
森鴎外
準備は佳いかい?
『完了しています』
森鴎外
森鴎外
そちらは武装探偵社を
粉砕するに十分な戦力だ
とびきりの旋律リフを期待しているよ













与謝野晶子
与謝野晶子
如何したンだい?
江戸川乱歩
江戸川乱歩
社長、攻勢オフェンスを呼び戻した方がいい
福沢諭吉
福沢諭吉
敵か?
襲撃規模は何人だ?
その言葉に、乱歩は福沢に
端末の映像を見せる











そこに映っていたのは、
ポートマフィア幹部・中原中也



その一名であった
江戸川乱歩
江戸川乱歩
一人だ
映る彼は、監視カメラに向かって
にやりと笑っていた


































与謝野晶子
与謝野晶子
三番、四番、八番、映像停止
福沢諭吉
福沢諭吉
自動銃座起動










中也に向かって、
レーザーサイトが三本当てられる









彼は不敵に笑うと、
自身の異能力を使って、
離れた位置に置かれた銃を破壊する
中原中也
中原中也
『特使の接待役がこんな木偶とは
泣かせる人手不足じゃねぇか』
中原中也
中原中也
『生きてる奴が出て来いよ』
江戸川乱歩
江戸川乱歩
…社長
福沢諭吉
福沢諭吉
お前も私と同じ意見か
その言葉に、目を見開いた名探偵は
静かに、小さく、でも確かに頷いた








































坑路を一歩一歩進んでいく中也







そんな彼の前に、人影が揺れる
中原中也
中原中也
おいおい、たった二人かよ
与謝野晶子
与謝野晶子
応対が不満なら、
事前予約してから出直しな
中原中也
中原中也
マフィアが敵拠点で暴れるのに、
予約が要ると思うか?
宮沢賢治
宮沢賢治
はい!要らないと思います!
与謝野晶子
与謝野晶子
暴れたいんなら好きにしな
けどアンタは
暴れに来たんじゃない だろ?
中原中也
中原中也
…何故判る?
与謝野晶子
与謝野晶子
ウチは探偵社だよ
訪客の目的位一目で
見抜けなくてどうするンだい
中原中也
中原中也
お宅の社長は?
与謝野晶子
与謝野晶子
そこだよ
与謝野は天井部に設置された
監視カメラを指で指し示す























中也はそこに映るように
写真を取り出した
中原中也
中原中也
『うちの首領から贈品プレゼントだ』
写真には、金髪と黒髪の
二人組の男が写っている
福沢諭吉
福沢諭吉
組合の団員か?
中原中也
中原中也
『奴らを『餌』で釣った
現れる時間と場所も此処に書いてある』
中原中也
中原中也
『こんな好機チャンス滅多にないだろ
憎っくき組合に一泡吹かせてやれよ』
福沢諭吉
福沢諭吉
(確かに、組合の異能者を
待伏せる好機は珠玉…)













与謝野晶子
与謝野晶子
成る程
唆られる提案だね
中原中也
中原中也
だろ?
与謝野晶子
与謝野晶子
けどもっと善い案があるよ
与謝野晶子
与謝野晶子
アンタの手足を削ぎ落としてから
何を企んでるか
吐かせるってのはどうだい
中原中也
中原中也
そりゃ凄ぇ名案だ
やってみろよ
与謝野晶子
与謝野晶子
賢治!
宮沢賢治
宮沢賢治
はーい!
返事をすると、すぐ傍の線路の
鉄骨を片手で持ち上げ、振り回す






中也の顔には、嬉しそうな表情が浮かぶ
中原中也
中原中也
いいねぇ
宮沢賢治
宮沢賢治
気をつけて下さーい!
そう言うと、鉄骨を中也に
向かって振る








鉄骨の先端は壁に当たり、
当たった場所から小さく放射状に破壊する






然し中也はそれを軽々と避け、
鉄骨の上に立つ
中原中也
中原中也
矢っ張り仕事はこうじゃねぇとなァ!
中也は鉄骨の上を走り、
キラキラとした目をした
賢治を容赦なく反対側の壁に蹴り飛ばす











その背後から、鉈を持った与謝野が近寄り、
手に持ったそれを振り下ろす






然しそれも中也は、自身の異能力で
天井に逆さに立ち避ける
与謝野晶子
与謝野晶子
何!?
与謝野晶子
与謝野晶子
その異能力…
『重力遣い』の中原中也だね
中原中也
中原中也
ち…太宰の兵六玉が喋ったか
宮沢賢治
宮沢賢治
逆さに立っても
帽子が落ちてこない…
やっぱり都会って凄い!
中也は体に薄く重力波を
纏ったまま地面に降り、二人に告げる
中原中也
中原中也
さァ、「重力」と戦いてぇのは何方だ?
三者三様に、敵を警戒し
臨戦態勢になり構える















事の全容を見ていた福沢が、動く
福沢諭吉
福沢諭吉
答えよ、ポートマフィアの特使
中原中也
中原中也
『あ”ぁ?』
福沢諭吉
福沢諭吉
確かに探偵社が組合を挫けば
貴兄らは労せずして敵の力を削げる
福沢諭吉
福沢諭吉
あわよくば探偵社と組合の
共倒れを狙う策も筋が通る
中原中也
中原中也
『だがお宅にも損は無い、だろ?』
福沢諭吉
福沢諭吉
その話が本当ならな
福沢は横に立つ乱歩に、
無言で一つ指示を出す





乱歩は面倒くさそうに、
然し其れ従い眼鏡をかける
福沢諭吉
福沢諭吉
何を隠している?
中原中也
中原中也
『何も?』
福沢諭吉
福沢諭吉
この件ポートマフィアはどう動く?
中原中也
中原中也
『"動くまでもねえよ"』
江戸川乱歩
江戸川乱歩
ッ!
成る程
…そう云う事か
江戸川乱歩
江戸川乱歩
組合は僕達と同じ様に罠を疑った筈だ
しかし彼等は食いついた
余りにも『餌』が魅力的だったからだ
江戸川乱歩
江戸川乱歩
何で組合を釣った?








福沢諭吉
福沢諭吉
事務員を『餌』にしただと!?
中原中也
中原中也
『直ぐ避難させりゃ間に合う
その上組合はお宅等が
動く事を知らねぇ 楽勝だろ?』
福沢諭吉
福沢諭吉
……奴の言葉に嘘は有るか?
江戸川乱歩
江戸川乱歩
無いね
残念乍ら
江戸川乱歩
江戸川乱歩
"こう云う時は真実がいちばん効く"
中原中也
中原中也
『穴だと判っていても
探偵社は落ちずにはいられねぇ』
中原中也
中原中也
『首領の言葉だ』
福沢諭吉
福沢諭吉
…至急事務員に避難指示を
福沢諭吉
福沢諭吉
それと…国木田に繋げ















江戸川乱歩
江戸川乱歩
ねぇ、素敵帽子君。
一つ聞いてもいいかい?
中原中也
中原中也
『なんだよ、名探偵サマ?』
江戸川乱歩
江戸川乱歩
動くまでもない、
さっき君はそう云ったけど…
江戸川乱歩
江戸川乱歩
君の本音は?
中原中也
中原中也
『…名探偵ってのはヤなモンだな』
中原中也
中原中也
『ホントは、船ごと俺が
沈めてやりたかったさ。』
あなたを攫った彼奴らを、
1匹残らず、な…




































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