第62話

番外編
693
2024/04/29 03:00 更新
中也side









朝、目が覚めると携帯に
一通のメールが届いている










送り主は首領

内容は今日俺が非番になるという事

























仕事に行く気で起きたこの早い時間も、
昨日の夜中にアイロンを掛けたシャツも
無駄になってしまったようだ
中原中也
はぁ…暇になっちまったな…
中原中也
まぁ折角の休みだし、出かけるか?
でも、一人ってのもな…





















気づくと身体は動いていて

















机に置いた携帯を再度手に持ち、
今日は非番の筈の、
俺にとって最愛の人に電話を掛ける












急に連絡したら困るだろうか、
もう何か予定が入っているだろうか







そんな事を悶々と考えている内に、
コール音が止まる
森あなた
『もしもし、中也お兄ちゃん?
急にどうしたの?』
中原中也
あなた、実は急に非番に
なっちまってな。
暇だから出掛けようかと思ったんだが
一人ってのはどうにも侘しくてな。
よかったら一緒にどうだ?
森あなた
『いいの?
じゃあ行きたいな。』
中原中也
よし、じゃあ10時に
そっちに迎えに行く。
バイク乗れる服装で待ってろよ。
森あなた
『了解、待ってるね。』
その言葉に、通話を切る








あと2時間半、まだ余裕があるが
急がなければならない


















寝汗を流すためシャワーを浴び、
トーストに目玉焼き、
カリカリに焼いたベーコンにサラダという
オーソドックスなメニューの朝食を取る。


















片付けと身支度をこなし、
クローゼットを開く





少し悩んでから、白茶のジャケット、
重ね着用の黒と白のシャツ、
バイクを乗る時に愛用している
黒いパンツを取り出し、着用する





















荷物の準備も終わり時計を確認すれば
迎えに行くには丁度いい時間で







バイクに乗り、近くにある
あなたの家へと向かった





























あなたの暮らすマンションの前に
到着したところで、バイクを降り
その旨のメールを送る








するとすぐに出る、という内容の
メールが返って来ると同時に、
あなたが外へと出てくる
森あなた
中也お兄ちゃん、お待たせ!
ありがとね、迎えに来てもらっちゃって。
中原中也
構わねぇよ。
俺から誘ったんだからな。
あなたは白いシャツに淡い水色の
ジャケットとパンツを着用していた






髪も短いながらに
後ろで編み込まれていたりと
アレンジがされていて
俺と出掛けるためにしたのだと思うと
なんだか嬉しくなる
中原中也
んで誘っといてなんだが、どこに行く?
森あなた
…中也お兄ちゃん、
行きたいとこ無いの?
中原中也
そう、だな…
そういや確か…
中原中也
CMで見て気になってた
映画があったな。
丁度最近公開した筈…
森あなた
いいね、それ見に行こうよ!
中原中也
いいのか?
あなたはどこか行きたいとことか…
森あなた
いいからいいから!
ほら、行こ?
あなたは俺の手を引いて、
バイクへと誘導する。





ちょっと申し訳無さを感じながらも、
あなたが楽しそうだからいいかと
思いつつ二人でバイクに乗り、
映画館に向かって走り出した

















































森あなた
いやぁ…いい映画だったね…
中原中也
だな…見て正解だっ…
本当に、いい映画だった。







ラストシーンでヒロインが主人公に
向かって放った言葉が涙腺崩壊ものだった












俺とあなたは涙を抑えつつ
近くの喫茶店へと入り感想を語る








元々映画の趣味の合う俺たちは
こんな風に作品を見た後この喫茶店で
語るのが何時ものお決まりだ
森あなた
ね、あのシーン最高だったよね、
主人公が…
中原中也
あぁ…あんな展開になるとはな…

二人とも終始泣き声だったが、
それでも語り合う口は止まらなかった
























漸く涙が落ち着いた頃、
俺の携帯が鳴る
中原中也
あ?電話…誰だ?
悪ぃあなた、出て来てもいいか?
森あなた
大丈夫だよ、待ってるね、
その言葉に礼を言い、
俺は店先に出る






そして鞄から携帯を取り出した
中原中也
はい…中原ですが
森鴎外
森鴎外
『中也君、休暇中申し訳無いね。』
中原中也
っ首領!?
どうされましたか?
森鴎外
森鴎外
『実は、少々厄介な案件が生じてね…
あなたと一緒に、ポートマフィアの
ビルに来てくれないかな。』
中原中也
判りました。
あなたと共に
直ぐに向かいます。
幸いここはポートマフィアのビルの近く



何かある前に着けるだろう












俺は通話を切り、
店の中にいるあなたに通達





再びバイクに乗りマフィアのビルへと走り出す














































いつもの場所にバイクを停めて、
ビルの中へ入り、エレベーターに乗り込む






今日ほどエレベーターが
遅く感じた事は無い















最上階、首領の部屋に辿り着き、
あなたや護衛の静止を無視して俺は扉を開く
中原中也
首領!
厄介な案件とはどんな…
森あなた
ちょ、お兄ちゃんまだ早…
森鴎外
森鴎外
中也君!?
尾崎紅葉
尾崎紅葉
中也!?
芥川龍之介
芥川龍之介
中也さん!?
中原中也
…え
そこにあったのは、
大きなテーブルに並べられた料理と、
チョコプレートののった大きなケーキ










そして、端に見えるワインセラー
エリス
エリス
ちょっとあなた!早いわよ!
まだ準備終わってないのに…
森あなた
ごめんエリス姉さん…
近くの映画館にいたからさー
森あなた
中也お兄ちゃんはバイク
めちゃくちゃなスピード出すし…
中原中也
あの、これは…どういう…
尾崎紅葉
尾崎紅葉
…中也、矢張り気付いておらぬか。
森鴎外
森鴎外
態々休みを与えたのだけどねぇ…
芥川龍之介
芥川龍之介
中也さん、本日が何の日か、
判りませぬか?
中原中也
今日…?
何の日…?
森あなた
…そんな事だろうと思った。
森あなた
中也お兄ちゃん、お誕生日おめでとう!
中原中也
…え?
あっ…そうか俺…
中原中也
(今日…誕生日…か)
森鴎外
森鴎外
エリスちゃんがサプライズでお
祝いしたいと云うから、
急に休みにしてしまって済まないねぇ
中原中也
い、いえ…首領のご命令ですから。
尾崎紅葉
尾崎紅葉
ほら中也や、好きな物を食べよ。
わっちらで用意したぞ
中原中也
ありがとうございます、姐さん
芥川龍之介
芥川龍之介
中也さん、此方…
評判の葡萄酒をご用意しました。
冷やしておきました。
中原中也
おー、気が利くじゃねェか。
ありがたく呑ませて貰うぜ。
エリス
エリス
チュウヤ!このケーキ、
私とあなたとコウヨウで
一緒に作ったのよ!
中原中也
これですか?
とても美味しそうですね。
中原中也
…あれ、でもあなたは
先刻まで俺と…
森あなた
スポンジケーキは昨日の内に作ってたの。
デコレーションは紅葉姉さまと
エリス姉さんにお願いしたけどね。
森あなた
料理も私の手がちょっと入ってるよ
中原中也
態々…手前も忙しいのに…
森あなた
そんな事で、中也お兄ちゃんの
誕生日に妥協する
理由にはならないよ。
森あなた
本当におめでとう、中也お兄ちゃん。
これからもよろしくね。

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