中也side
朝、目が覚めると携帯に
一通のメールが届いている
送り主は首領
内容は今日俺が非番になるという事
仕事に行く気で起きたこの早い時間も、
昨日の夜中にアイロンを掛けたシャツも
無駄になってしまったようだ
でも、一人ってのもな…
気づくと身体は動いていて
机に置いた携帯を再度手に持ち、
今日は非番の筈の、
俺にとって最愛の人に電話を掛ける
急に連絡したら困るだろうか、
もう何か予定が入っているだろうか
そんな事を悶々と考えている内に、
コール音が止まる
その言葉に、通話を切る
あと2時間半、まだ余裕があるが
急がなければならない
寝汗を流すためシャワーを浴び、
トーストに目玉焼き、
カリカリに焼いたベーコンにサラダという
オーソドックスなメニューの朝食を取る。
片付けと身支度をこなし、
クローゼットを開く
少し悩んでから、白茶のジャケット、
重ね着用の黒と白のシャツ、
バイクを乗る時に愛用している
黒いパンツを取り出し、着用する
荷物の準備も終わり時計を確認すれば
迎えに行くには丁度いい時間で
バイクに乗り、近くにある
あなたの家へと向かった
あなたの暮らすマンションの前に
到着したところで、バイクを降り
その旨のメールを送る
するとすぐに出る、という内容の
メールが返って来ると同時に、
あなたが外へと出てくる
あなたは白いシャツに淡い水色の
ジャケットとパンツを着用していた
髪も短いながらに
後ろで編み込まれていたりと
アレンジがされていて
俺と出掛けるためにしたのだと思うと
なんだか嬉しくなる
あなたは俺の手を引いて、
バイクへと誘導する。
ちょっと申し訳無さを感じながらも、
あなたが楽しそうだからいいかと
思いつつ二人でバイクに乗り、
映画館に向かって走り出した
本当に、いい映画だった。
ラストシーンでヒロインが主人公に
向かって放った言葉が涙腺崩壊ものだった
俺とあなたは涙を抑えつつ
近くの喫茶店へと入り感想を語る
元々映画の趣味の合う俺たちは
こんな風に作品を見た後この喫茶店で
語るのが何時ものお決まりだ
二人とも終始泣き声だったが、
それでも語り合う口は止まらなかった
漸く涙が落ち着いた頃、
俺の携帯が鳴る
その言葉に礼を言い、
俺は店先に出る
そして鞄から携帯を取り出した
幸いここはポートマフィアのビルの近く
何かある前に着けるだろう
俺は通話を切り、
店の中にいるあなたに通達
再びバイクに乗りマフィアのビルへと走り出す
いつもの場所にバイクを停めて、
ビルの中へ入り、エレベーターに乗り込む
今日ほどエレベーターが
遅く感じた事は無い
最上階、首領の部屋に辿り着き、
あなたや護衛の静止を無視して俺は扉を開く
そこにあったのは、
大きなテーブルに並べられた料理と、
チョコプレートののった大きなケーキ
そして、端に見えるワインセラー















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。