第64話

sixty-first
844
2024/05/14 22:00 更新
ジョン・S
ジョン・S
妹のためなら、君たちが
どうなろうが
知った事じゃない
その時だった












何故か、雪がその場に降り注ぐ
ラヴクラフト
ラヴクラフト
ん…?
こんな季節に雪…?
瞬間、ジョンの背後で銃声が聞こえた






振り返ると、そこには
地面に倒れるラヴクラフトと
銃を持った国木田がいた















驚いている隙に、
ジョンの木も銃弾で千切られた












谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
ナオミ、逃げるンだ!
谷崎ナオミ
谷崎ナオミ
兄様!
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
五分後、麓の線路を旅客列車が通る!
一分だけ止まる様に話をつけてある、
それに飛び乗れ!
組合の2人が少々手間取っている間に、
谷崎はナイフで木を削ってどかし、
囚われた彼女達を解放し逃がした


谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
さァ走れ!振り返るな!
ジョン・S
ジョン・S
…こうなる気はしてたよ
あなたを貰ったとはいえ、
信頼出来ない情報源だったからね
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
…あなたって、
ポートマフィアの彼女か?
ジョン・S
ジョン・S
そうだよ。
彼女の異能は貴重だからね。
ジョン・S
ジョン・S
でも、彼女は君にとって
ポートマフィアにいようと
組合にいようと
敵なんだし気にする
必要ないでしょ?
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
…
ジョン・S
ジョン・S
あ、もしかしてあなたの事を
好きだったりするのかな?
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
…判らない。
ポートマフィアはあの日、
ナオミを傷つけたから
心の底から憎んでる
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
でもあなた…は、
ナオミを治療してくれたから、
多少恩は感じてる。
ジョン・S
ジョン・S
ふーん…まだ気持ちの整理が
ついてない感じだね、僕と同じだ。
国木田独歩
国木田独歩
(先刻見せた奴の異能力…
一度樹木と繋がれば麓の樹木を操って
列車を停止出来るだろう)
国木田独歩
国木田独歩
(事務員達が逃げおおせる迄の五分間、
奴に一度も樹木に触れさせてはならん)
ジョンは木の枝の一部を
国木田に向かって伸ばす




国木田は銃弾を一発、二発三発と
命中させ先刻のように千切るが、
千切れた場所からすぐに新しい木が生え、
勢いそのままに飛んでくる












結果、銃を構えていた腕は手首で高速され、
銃は後ろに弾き飛ばされた
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
国木田さん!
ジョン・S
ジョン・S
今こう思ったね?
「彼女たちが逃げ切るまで、
僕に樹木を触らせなければ
勝ちだ」って
ジョン・S
ジョン・S
戦況を簡略化し過ぎると、
行動が単調になる
国木田独歩
国木田独歩
…成る程後で手帳に書き控えよう
国木田独歩
国木田独歩
処で貴様は先刻こう思わなかったか?
「拳銃を叩き落とせば、
もう攻撃手段は無い」と
そう云い、彼は自身の懐に手を入れる






そこには、文字の書かれた
一枚の紙が仕舞い込まれていた



















それは、国木田独歩
其の人の異能媒体だ
国木田独歩
国木田独歩
『独歩吟各』!
その言葉で異能力が発動し、
唯の控書だった紙は
先程弾き飛ばされた物と
同様の種の自動拳銃へと姿を変えた











国木田はそれを掴み、引き金を引いて
自分を縛り付けている木を切断、
そのままジョンに接近し、
得意の体術技で地面に叩きつけ
脳天に銃口を掲げた
















その後ろでは、ジョンが異能を
解いたのか解けたのか、
高く絡め上げられていた
軽自動車が支えを無くし地面へと落ちる
国木田独歩
国木田独歩
戦況を簡略化し過ぎると
行動が単調になるぞ
後で控書しておけ
国木田独歩
国木田独歩
超大国の秘密組織が
異国で誘拐業とはな
ジョン・S
ジョン・S
耳が痛いね
でも団長が云ってたよ
「組合は良いことをする組織では無い
すべきことをする組織だ」ってね
瞬間…







国木田の背後で、
銃弾を身体にモロに受けた筈の
ラヴクラフトが立ち上がった
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
国木田さん、後ろ!
国木田独歩
国木田独歩
何!?
何発も撃ち込み、命中するが
何事もないように彼は
こちらにゆっくりと接近してくる
国木田独歩
国木田独歩
(銃の効かぬ異能力者か…)
ジョン・S
ジョン・S
遅いよラヴクラフト〜
何してたの?
ラヴクラフト
ラヴクラフト
寝てた
ジョン・S
ジョン・S
こらこら笑
ラヴクラフト
ラヴクラフト
すまん
彼は異能発動のため、両腕を少し広げる







その両手には異能の光の輪が
発現している
国木田独歩
国木田独歩
谷崎!『細雪』で姿を__
刹那、二人はほぼ同時に
ラヴクラフトの手から生えた
触手に捕えられ、身体が宙に浮く







もう逃げられない
国木田独歩
国木田独歩
(なんだこの力…
異能力にしても異形過ぎる!)
ラヴクラフト
ラヴクラフト
こいつらは…殺すのか?
ジョン・S
ジョン・S
どうだろう
とりあえず女の子達を
捕まえてから指示を仰ごう
ジョンは異能の木を一部、
アスファルトに突き刺した



































その木は、地中を進み、
標的を見つけ…捕らえる










森を駆け回るナオミと春野



その眼前には、列車が止まっている
谷崎ナオミ
谷崎ナオミ
あれですわ!
春野綺羅子
春野綺羅子
きゃっ!
谷崎ナオミ
谷崎ナオミ
春野さん!
ナオミが振り向くと、
春野は足を木の根に縛られていた




その隙を狙い、
木の根は上からナオミも拘束する



















列車を動かす、蒸気音が響く
谷崎ナオミ
谷崎ナオミ
列車が…

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