第32話

after story 2
918
2024/06/17 11:45

照side










何がいいだろうか。



家へ向かうまでの道沿いにある、ちょっと大きめのスーパー。

食品売り場で1人、カゴにはいっぱいのお菓子やらを詰めて悩む。







照「これは佐久間で、、翔太さんはこれか…」


照「あ、これ食べたかったやつ!」




照「辰哉さんは…これかな」







目一杯悩んで選んだものがたっぷり詰まった袋を抱えて、チャイムを鳴らす。














ガチャッ


ガシッ





無言のハグ。


うぉ、、なんて可愛げもない声が出たけれど、大好きな匂いですぐにわかった。







辰哉「照…おかえり」




ちょっと照れたような、俺の服に埋もれた彼から発される声。





照「ただいま」



肩をトントンと叩いて顔をあげてもらったら、照れているのか赤い顔をみせた辰哉さん。

手話じゃなくて口を読んでもらったんだけど、彼もふにゃっと口を動かす。






辰哉『待ってたよ』




声に出てなくても、俺に届く大切な言葉。












大介「照ー!!ふっかさーん!!」

大介「早く中おいでよー!!!!」




玄関で靴を脱いで、辰哉さんのあったかいハグを堪能してたところなのに…


佐久間の元気すぎる声をきき、辰哉さんと一緒にリビングへ向かった。





辰哉「俺、片方持つわ」



辰哉さんに袋の持ち手を取られたかと思うと、パッチリウインクをしながら手話を。







あぁ、やっぱり好きだ。







翔太「照、久しぶり」


いつの間にか、速い手の動きにも追いつけるようになっていたし自分の手話もこなれた気がする。




照「お久しぶりです。これ、買ってきました」





大介「あ!!これ俺の好きなやつっ!!」



こんな馬鹿でかい佐久間の声が聞こえているのは、今ここにいる4人のうち半分だけど。






翔太「大介、顔がうるさい」

翔太「もっと静かにしろよ、ふっかと照に迷惑」




辰哉「俺は別に大丈夫だよ〜」



辰哉「俺たちがうるさいのは、いつものことでしょ?笑笑」






俺たちなりのうるささってのが、あるんだよなぁ。










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