第10話

09.桜の木の下
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2025/04/26 08:48 更新



気がついたら私は知らないところにいた。










桜の木があるのどかな丘だった。








自分の体を動かそうとするが、なぜかできない。




それでも勝手に体が動く。







これは…誰かの記憶のようだ










桜の木の根元まで行くと白い布が落ちていた。









なんとなくそれに近づくと、それはただの布ではなく、赤子のおくるみだと理解した。





体に対して大きなおくるみは乱暴に巻かれていた。



その中でうぅーとかやあぁーとか意味の無い言葉を発してモゾモゾと動く赤子を直感的に"両面宿儺"だとわかった。




"私"は近づいて抱きしめた




4つの大きな目と目が合ったような気がしたのは気のせいだろう。


生後間もない赤子は視力が弱いらしく、殆どぼやけて見えている





指を顔に近づけると小さな手が指を握った。




ぬるい体温に冷えた指先が温まる







ふいに加護欲がそそいで、愛おしい気持ちになる。











そのまま指は赤子に委ねて遊ばれていた。











よくよく見ると腕が4つある。



あの腕は生まれつきだったのか…










その時だった。







"私"は、はっとして赤子の首に手を添えた





何かから目が覚めたようだった。








頭に流れ込んでくる"この人"の感情












「殺せ」「怖い」「呪いを祓え」「根源を断て」








様々な人の様々な声が後ろから聞こえる









口から吐き出したその言葉こそ呪いだ。










少しぐずった声を出すからああ、泣かないで。







そう思っていてもこの手は止まらない。









嫌だ、いやだ。








こんな赤子を殺すなんてできない。







苦しそうに顔を歪めているのを見て申し訳なさと哀しさが襲う。









ごめんね、ごめんね…許して…
















その憎しみと恐怖の奥底には悲しみがあった。













濡れた赤子の瞳に見慣れた姿が映る








その姿は…
















__私?















そう思った瞬間、桜が私の視界を埋め尽くした




















殺せ


















何故だろうか、その言葉が脳裏に刻み込まれていた。





























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