可笑しいな?と違和感を抱いていると
ガタガタと階段から音が聞こえる。
音のリズム的に海斗だろう。
只、今は顔も見ていない海斗が
どうしても可笑しく感じてしまう。
_____まぁ良い。
きっと、勘違いだろう。
横を見れば、篠原さんは
私の家をグルーっと見回して
観察をしているようだ。
階段を下りてきたであろう海斗が、
此方へ向かってくる。
この前話した時は
もっと落ち着いた感じだったのだけれど……
若しかして…いやきっと
人前で取り繕うタイプの人間…?
“ あの時 ”を見ても
私よりも落ち着いている様子だったし…
笑った顔を自分に貼り付け、
海斗にそう返した。
一応合わせておこう。
私はあの時の海斗の不気味さを思い出しながら
そう決心した。
_____……ただ心配事があるとするのならば
私の下手な取り繕いが
篠原さんにバレていまうという点だろう。
リビングの机を挟み向かい合っている
3人程が座れる長椅子と
小さめの一人位のふわふわの椅子。
勿論長椅子もふわふわ
一方の長椅子に私と海斗。
向かいの長椅子に篠原さんが座っている。
……此処は私と海斗が始めて話した場である。
位置は違うけれど…。
_____そんなこんなで
今途轍もなく気まずい空気が流れている。
何故か篠原さんと海斗が見つめ合い
何も話さない。
_____も、若しかして運命の出会い?!
それとも目で会話しているの…?!
と、馬鹿な考えをして
冷や汗を私は垂らしている。
そもそも…
という、有難うの意味で
此処に迎え入れたというのに
之では客人に失礼な事をしている。
海斗は篠原さんを睨んでいるし、
篠原さんも海斗と同様に海斗を睨んでいる。
初対面で此処まで険悪になるのは初めてだ。
此の儘、武器を取り出して
戦い始めるような雰囲気すらある。
今までこんな経験は無かった。
___勿論、前世を含めてだ。
あり得るのだとすれば
親の仇だったり、大切な人の仇だったりしたら
こんな事になりそうだけれど
海斗はそんな様子もないし、する筈もないし
篠原さんもそんな事をする事も、
された事もなさそうだから可能性が低い。
そう思っていたら
篠原さんが此方を向いた。
どうやら私の声に気付いた様だった。
そして次に篠原さんは云った。
篠原さんは置いていた荷物を持ち、
立ち上がり私たちに向かって云った。
……確かに、
此の儘だと何も解決しないだろうけど
篠原さんに気を遣わせるのは違う。
だけれど、解決策は無かった。
篠原さんは帰ってしまった。
あぁ…其の儘
見送ることしか“ 出来なかった。 ”
“ 出来なかった ”…?
……違う。
_____……考えようとしても
どうしても靄が掛かったように考えられない。
何だ、これ。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。