教授が大神さんに向かって名前を聞く。
目立った人物がこんな私に話しかけてきたせいで、視線が…!
視線が……!!(泣)
ペンを握りしめて、自分への視線が外れることを願う。
そして下を向いて、
「いや、こんな人知らないっすけどなんすか」
というスタンスで勝負。
聞いてきた大神さんに皆、こう思っただろう。
「何いってんだ?」と。
何故ならここは
第三講義室ではない。
第六だ。
あまりにも自信満々な彼女の姿のせいで、
鈴の声は不安により次第に小さくなる。
大丈夫、あってる。
大神さんがおかしいだけ。
陽キャのテンションまじクソ怖い。
大神さんは自分のポンに気づくと大慌てで外へと出た。
軽快な足音が遠ざかっていく。
皆戸惑いながらも講義を再開した。
………
……
…
昼 13:12
鈴は恋人である晶に作ってもらっただろう卵焼きを口に放り込んだ。
私達は中庭の隅のベンチで食事を取っている。
因みに、私は食事にこだわるタイプではない。
面倒くさくて今日はワカメおにぎり2つ。
彼はバイト仲間である左門玲人。
異性の友達では一番と言っていいほど仲はよい。
しかも頼りになるという優れもの
偶に変なバイトに誘ってくるが、それ以外は比較的常識人である。
鈴は箸にぎゅっと力を込める。
自分の知らないところで面倒事に友人が巻き込まれている事が気に食わないらしい。
いやぁとポリポリと頬をかきながらさもくんは言う。
さもくんまで広がっているのか……
しわがよってしまった眉間を揉む。
…最後の一口を放り込んだ。
荷物をまとめて席から立つ。
制止してくる鈴の声は、とりま聞き流す。
今日の講義は午前だけだ。
さっさと帰って体を癒そう。
次回
「切実に助けてほしい」
らむぽっぷ さんから
スポットライト頂きました🙌🙌
ありがとうございます!












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!