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第1話

いつも、通りの日常
37
2023/05/20 02:57
私は小さい時からずっと独りだった。



































貴方なら大丈夫よ!
あなた
でも…独りぼっちは嫌だよ
仍莎玖はしっかりしてるもんな!
あなた
してないよ、私泣き虫だよ?
仍莎玖なら大丈夫よ/大丈夫だ!



あなた
行かないで…お父さんお母さん…

あなた
パチッ
またこの夢か




何回見たか分からない夢が


脳にこびりついている
あなた
邪魔だな
そう呟きながらジメジメとした外とは
裏腹にひんやりとした密室の中で支度をする


あなた
行ってきます
誰も居ない空間に
私はいつも挨拶をする


あなた
今日も…暑いな
四季の中で
蝉が一生懸命に鳴いている季節


今日も人が群れている学び場に足を運ぶ





なんだか嫌な予感がする
あなた
ゴフッ!
突然
口の中から
赤いドロドロとした物が流れてきた
あなた
ゴホッゴホッ!
私はこのままではいけないと走った
走った走った
鍵を開け
トイレへ向かった
あなた
ゴホッゴホッ
ガハッ!
ボタボタ…
あなた
あがっ!ヒューヒュー
あなた
ぐ…ぐるじぃ…
これは日常茶飯事
血を吐く現象は、色々と原因があるらしいが
私には全て当てはまらない
突発的に出てしまうようだ







あなた
…すこ…少し落ち着いたかな
あなた
速く…行かないと遅刻する
佐々木 凛
雹柴ひょうさきさんおはよう
あなた
佐々木さん…おはよう
この人は佐々木凛さん
よく声を掛けてくれる人
容姿が綺麗なので男女ともに人気だ


私は、自分の席に座った
あなた
余裕に準備…しといて良かった
こうなる事は分かっていたので
いつも校門が開く3時間前に家を出ている
そもそもの問題私の家から遠いので余裕を持って
登校している
佐々木 凛
ごめん雹柴さん次美術の小テストだったよね?
さっきの佐々木さんだ
あなた
そうだよ…良かったら教えようか?
佐々木 凛
ありがとう、私美術だけは苦手なの
あなた
全然、教えるのには結構慣れてるから
私は…あまり自分で言いたくないが
勉強は出来る方なので
佐々木さん問わず他の人もよく聞いてくる
授業が終わり掃除の時間
鈴木 遥香
ごめん〜、雹柴さーん
あなた
この人は鈴木さん

鈴木遥香さん
鈴木 遥香
私これから、友達と遊びに行くのー
だからゴミ捨て当番代わってくんない?
まただ
あなた
別にいいよ、でも学校の門限になったらちゃんと帰らないとだよ
鈴木 遥香
分かってるよ〜
雹柴さんこれで何回目ー?
鈴木 遥香
ウケるー笑
君が門限過ぎても
遊んでる所見たから言ってるんだよ
鈴木さんは名前と性格がものすごく違いすぎる
あなた
よいしょ
私はゴミを持ちごみ捨て場に向かった
??
おーい、雹柴さーん
遠くから声が聞こえる
??
やっぱり雹柴さんだ
あなた
疾雰はやきりくん
この人は疾雰はやきり   ようくん

そしてこの人も男女問わず人気な人
疾雰 陽
今日も雹柴ひょうさきさんゴミ捨てなんだね
疾雰くんとはよく一緒になる



疾雰 陽
──────でさ〜
横沢が間違えてお袋のパンツ履いちゃったらしく笑笑
あなた
ふふっ、それは大変だね
疾雰 陽
びっくりしたような顔をした疾雰くん
疾雰 陽
俺、雹柴さんの笑ったところ見た事ないな
疾雰 陽
声に出して笑ってくれるけど
顔にはださないよね
あなた
そんな笑ってないかな?
…普段笑わないからな
表情筋が硬いのかな…?
疾雰 陽
雹柴さん…笑ったら可愛いと思うのに
あなた
ズトッ
疾雰 陽
だ、大丈夫?
あなた
いてて…う…うん
疾雰は手を伸ばした
疾雰 陽
はい
あなた
あ、ありがとう
疾雰くんって…どストレートだよね
きっと心が綺麗なんだろうな…
疾雰くんとはたまに校門まで一緒に
帰ることがある私と疾雰くんの家は正反対なので右と左にわかれる



疾雰 陽
じゃぁ…またね雹柴さん
あなた
うんまた
疾雰 陽
……



疾雰くんの背中が小さくなっていく
私はその背中が無くなるまで手を振った




無くなるまで手を振ったら
私は学校と言うなの場所を後にし自分の家へと足を踏み出した
あなた
今日も…大変だったな
吐血

私にとっては突発的に出るもの
授業中だって頑張って耐えた



…今日も鈴木さん…門限破ってるのかな

佐々木さん早退したからな…今日はあんまり喋れなかった…


私はそう悶々と考えながら
空がオレンジ色に染まった空を見上げ

少し朝とは違う夏の匂い
鼻を撫でられ少しくすぐったい



世界は…止まらない
きっとまた明日も同じ
あなた
明日は平等に…やってくるのだから
… 𝗍𝗁𝖾 𝖾𝗇𝖽

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