胸の高まりを感じながら帰路に着く
ああ、日向の事が気になって仕方がない
明日にならないかと
早く日向に会いたくて堪らない
拳をぎゅっと握り締めると
背筋がぞくぞくとした
首に触れた指先の感覚は床についても消えず
そのまま俺は眠りにつく事になった
あなた
誰かが俺の名を呼ぶ
ゆっくりと目を開けるとそこに居たのは
" 日向 " だった
驚いて声も出なかったが
さらに俺を驚愕させたのは日向の指には
俺と同じ赤い糸が結ばっている事だ
日向は放課後に見せた様な笑顔で俺に歩み寄ってくる
あなたは俺の事捨てないもんな !
ふふふと鼻で笑いながら指を絡めてくる
その表情には一点の曇りもなく
あくまでそれが当たり前だという風に
後ずさりをしようとしたところ
足が離れない 棒立ち状態だ
動かせるのは上半身のみ
体にすりついてくる日向に対し
俺はなんとも言えない気持ちになった
嫌とは思わなかったが俺の中で拒否したら
この子はどんな表情を向けてくれるのだろうと言う
人間の悪い所がでた
触るな 。
ただ一言
ただ一言そう告げた
日向の動きがピタリと止まった
俺は内心わくわくしながら日向の返答を待つ
よろめきながら俺から 1歩 2歩 …… と離れる
その間日向は頭を抱え何かをぼそぼそと口走っていた
残念な事に聞き取れなかったが
日向が傷ついていることは伝わる
案外反応が小さくて期待外れなんて思った俺は
やっぱりクズなんだなと思った
そこで夢は終わった
そして俺は推測した
まだ俺の指に絡まる赤い糸は沢山ある
その糸の数だけ俺に特殊な感情を
向けている人と出会えるのでは ? と
もしそうなら面白い事になりそうだ
今日早速色んな所を巡りそいつらを
迎えに行ってやろうと企み
牛乳1杯をぐいと飲み干す












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。