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第1話

1.
307
2023/01/22 15:29 更新
風もなく、静かな夜。
母親
あんたなんか出て行ってよ!!!
父親
要らないんだよ!!!使えないゴミ屑が!!!
俺は家から、抜け出した。
その日は5年に一度、妖の世界と人間の世界が繋がる、満月の日だった。
モトキ(幼少期)
はぁっ…はぁっ…!
無我夢中で走り続けた。
とにかく家から離れるために。
…気づいたら目の前には森があった。
後ろはビルなどが建っていて、賑やかだが俺の目に映る森は霧が濃く、


満月が眩しいくらい光っていた。
まるで誘われているかのように。
気がついたら、その不思議な雰囲気が漂う場所に足を踏み入れていた。
すると,辺りが全て森になって、異世界に来たかのように静かになった。
モトキ(幼少期)
っ…?ど、どういう事…?
???
お主、こんなところで何しておる。
モトキ(幼少期)
…!!(ビクッ)
???
まさか、人間か?
モトキ(幼少期)
……。
怖い。姿が見えないのに、声だけが聞こえてる。
辺りは静かな森。今にでも何かが飛び出してきそうな雰囲気だ。
???
最近は増えてきておる…人の子が足を踏み入れるのが。
???
まぁ良い。別に害が出るわけではないか。人の子よ。こちらへ来い。
モトキ(幼少期)
…まず、誰なんですか…?
???
そんなビビらくても良いだろう?
???
…ほう。見た感じお主、9歳ぐらいか?
モトキ(幼少期)
…知らない人に個人情報は言えません…!
???
なかなかしっかりしておるな。本当に小学3年生なんだか…
???
我の名はシルク。サラマンダーと狼の妖だ。
モトキ(幼少期)
ハーフ…なの?聞いたことないけどな…
シルク
お主、我が怖いのであろう。人間界では妖が化け物とされているからの。
シルク
他の妖は人を喰うが、我らは違う。むしろ、人間と仲良くなりたいと思っている方。
シルク
だから、我についてこい。
モトキ(幼少期)
…………。
シルク
こんなところにおったら喰われてしまうぞ?
モトキ(幼少期)
…わかった。
シルク
お主の名は?
モトキ(幼少期)
モトキです。
シルク
良い名だな。ここから先は霧が濃い。我から離れるなよ。
モトキ(幼少期)
うん…。
心配だった。
けど一人で森の中を彷徨うより,この人…?について行った方がいいと思った。
シルク
ここじゃ。
モトキ(幼少期)
ん…?
モトキ(幼少期)
なにも…ないけど。
シルク?って言う人は指を指した。
でも、目の前には何もない。少しひらけた場所があるだけだ。
シルク
…見ておれ。
シルク
…(ペタッ…)
シルクさんは手をかざした。
すると扉が出てきた。
モトキ(幼少期)
え!?
シルク
ふふふwすごいじゃろ?
シルク
他の妖に見つからんよう、隠しておるのじゃ。
モトキ(幼少期)
へー!!すごいすごい!
シルク
微笑ましいのぉ…何年振りじゃろか…子供の笑顔は。
シルク
さぁ入った入った!身体が冷えておるだろう?中に入ってゆっくりしてけ。
モトキ(幼少期)
はーい!!ありがとうシルクお兄さん!!
シルク
久しいな…その呼び名で呼ばれるのは。100年前くらいじゃなぁ…。
モトキ(幼少期)
…お、おじゃましまーす…。
シルク
どうした?モトキ。さっきまでの元気はどこいったんじゃ?
今思えば知らない人の家いや、人じゃない生物の家に入るとか、普通に考えたら怖っ!!
角の生えた男
おかえり〜!!!!
動物の耳が生えている男
腹減っだぁー!!!!
蛇を持っている男
うるせーなぁ…
フサフサな尻尾が生えている男
…いつもと違う匂いだぞ。
モトキ(幼少期)
す、すげぇ…!!!
モトキ(幼少期)
本物の尻尾だ!!それに耳もっ!!
角の生えた男
…!?待て。…なんで人を連れてきてるんだ。シルク。
シルク
そんな恐れなくてもよい。モトキは確かに人だが、俺らに恨みを持つ者ではない。
モトキ(幼少期)
妖の皆さんからしても、人間って怖いんですね…
だ,大丈夫です!!すぐ出て行くんで…!
シルク
…?何を言っておるのだモトキ。今日からお主は我の家族じゃぞ?
モトキ(幼少期)
え、え…?
角の生えた男
…しょうがない。迎え入れるしかなさそうだ。
角の生えた男
じゃあダホ、飯作ってくれ〜!久しい訪問者だ!!豪華に頼む!!
動物の耳が生えている男
任せとけぇ!!
蛇を持っている男
チッ…人間なんて連れてきやがって。めんどくせぇことすんなよ。
シルク
毎回ダーマはそんなことを言うが、本当は嬉しいのじゃろう?お見通しじゃぞ。
蛇を持っている男
うっせー!!黙ってろ!!
モトキ(幼少期)
…!(ビクッ)
シルク
ほら、モトキも怖がっておる。少しは静かにしてくれ。
フサフサな尻尾が生えている男
人間って弱えーよな。ちょっとしたことで怪我するし、ちょっとした事でビビる。
シルク
モトキ。まだ会ったばかりだから怖いよな。軽く説明しておく。
蛇を持っている男
…。
シルク
まず、あのネチネチ蛇みたいな奴はダーマ。ツンデレで口が悪いが、根はいい奴だ。
モトキ(幼少期)
だ,ダーマさん…。
フサフサな尻尾が生えている男
…。
シルク
次。あの尻尾が生えてる奴はザカオ。普段は冷静だがすごくビビりだ。それにバカだ。
モトキ(幼少期)
ザカオさん…。ちょっと怖いな…。
シルク
大丈夫じゃ。すぐ慣れるであろう。
動物の耳が生えている男
…。
シルク
じゃあ次じゃ。あの耳が生えておる奴はンダホ。料理ができて優しい性格じゃ。困った時は奴に相談するとよいぞ。
モトキ(幼少期)
ンダホさん!なんかお兄さんオーラがすごいね!
シルク
まさにその通りじゃ。ンダホはみんなの世話担当じゃからな。
角の生えた男
…。
シルク
次。あの角のが生えている奴はマサイだ。喋り方がよく変わる、二重人格みたいな男じゃ。
彼奴はずば抜けてバカな奴じゃ。まぁ天然。だな。
モトキ(幼少期)
マサイさん!カッコよくて立派な角が生えてるのに、そんなにギャップが激しいんだ!
シルク
そうじゃな。マサイはクールな雰囲気じゃが、実際に喋ってみると印象がだいぶ変わると思うぞ。
モトキ(幼少期)
へー!みなさんこれからよろしくお願いします!!
マサイ
うぃ…
ンダホ
よろしくねー!!モトキ君!
ダーマ
…。
ザカオ
よろー…。
シルク
耳が生えてるとかそういうことに関しては、後で説明する。今は飯じゃ!!
モトキ(幼少期)
わーい!!
本当にこの人たちに拾われて良かったなって思ってる。
俺はあの時ついていかなかったら、どうなってたんだろうか。
まぁ、昔の話か。

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