【ロロ・ソレイユ視点】
____________相手は若頭、だが結局ただの人間に過ぎません。
この魔導書で、高速魔法を使用すれば、相手を殺さずとも身動きを取れるはず。
でもこの魔法…視野の範囲内でしか通用しないから、緋央さんなら避けられるかもしれない。
しかも、使ったあとは少し目がくらんでしまう……。
一か八か……。魔法の書いてある場所に手を添え、魔法を唱える。
前がよく見えない……。相手の状況はどうなっているんだろうか……?
緋央さんは、顔を逸らした。でも、苦しそうな顔をしているのは、分かる。
例え緋央さんが原因だとしても
神なら、きっとそれも許してくれる。
緋央さんは、今までで見たことがないほどに
苦しそうで、見ているだけで胸が張り裂けそうになる表情。
過去の仲間を助けるために、今の仲間を犠牲にしようとしている……?
冷静に考えて、そんなこと……緋央さんには出来ないはずなんじゃ
そこまで仲間想いなこの人なら、例え今より過去の仲間の方が大事だとしても
なんの理由があろうとも
この人に、僕らを殺すことなどできない。
人間とは、そういう生き物だから。
きっと、この人は困惑しているだけなんだろう
この人も、黒幕の手のひらの上で泳がされていたんだ
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。