第32話

10日目③
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2025/10/23 07:00 更新
【るぅとSIDE】




莉犬から受けっとぬいぐるみを持って、全力で走る。




後ろからは、椅子や机が倒れる音、ガラスが割れる音がずっと響いている。




莉犬が食い止めてくれてるうちに、早く遠くへ____!!




__なーくん!!
るぅとくん!赤い人は?
まだ…多分莉犬が止めてくれてます!
…凄い、予想より大分もってるね
るぅとくん、そのまま俺に着いてきて
ぬいぐるみから頭を出すのを手伝って欲しい
走りながらでいいから
…オーケー、その間に来たら俺が食い止めるわ
言うて10秒も持たんと思うから気をつけてな
赤い人
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!




その時、赤い人が廊下の奥から全速力で走って来ているのが見えた。



莉犬ッ…!!
…ッ!!



ジェルくんが戦闘態勢になる。



頼んだよ、ジェルくん!
…!おう!任せとき!


…それでるぅとくん、足引っ張って欲しい
足?ここですね?



小走りしながらぬいぐるみの足を持って、思いっきり引っ張る。



胴体と頭が引きちぎれた。



頭の方から、髪の毛が見える。



…やっぱり、ビンゴだ!
これを取りだして____


うあ゛あ゛あ゛あ゛ッ
…!ジェルくん…?!



振り返る。




赤い人に馬乗りにされた、血塗れのジェルくんが横たわっていた。



早いッ…!!
…次、俺が食い止めるから、先に行って
なっ…無茶ですよ…!!!
そんなの、絶対僕がした方が…!!
いいから早く!!


なーくんに背中をつき飛ばされて走り出す。



後ろから聞こえるのは、地獄のような音。



振り返りたくない…振り返れなかった。








走る、走る、走る。




ゴールは…さとみくんは、どこ?




るぅと!!



僕を呼ぶ声が聞こえた。



よかった、あそこだ。



後ろを見なくても、赤い人がすぐそこに迫ってきていることは分かった。



あと数秒もしないうちに、僕は殺される。



その前に、この頭だけは…!!!




さとみく____ッ!!



僕が頭を投げると同時に、猛烈な痛みが全身に走った。



肩を掴まれる。



そのまま、地面に押し付けられる。



う゛ッ…!!



赤い人が、腕を大きく振りかぶった。




赤が、僕の身体から飛び散った、気がした。






【さとみSIDE】

クソッ、外れねぇ…!!!


頭をぬいぐるみの中から引っ張り出そうとする。



けど、どっかがつっかかってるのか全然外れる気配がない。



ダメだこれ、破くか。



…走りながらだから手元が安定しない。



もうるぅとは殺されただろうから、次は俺の番だ。



赤い人
う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!
ッうるせ、



若干キレたせいか、人形の頭の部分の布が破れた。



人間の頭…あの女子生徒の頭が転がり落ちた。



…ッなんだこれ、こっわ…



どこを掴んだらいいのか分からなくて、とりあえず髪の毛を鷲掴みにする。



___おいころん、いくぞ!!!
いつでも!


1階にいるころんに声をかける。



俺は髪の毛を思いっきり引っ張りながら、1階へ投げ落とした。



ッぐ…はッ…!!!



それと同時に、蹴りも食らう。



身体が吹っ飛んで、壁に思いっきり打ち付けられた。



く、ッ




視界がぐわんぐわん揺れる。



脳震盪、か?



後頭部ぶつけちゃったから。



赤い人
あははッ…



赤い人が笑って、そして1階を見つめる。



…ダメだ、そっちは…!!



…ッおい、俺はまだ生きてるぞ…ッ




…やばい、肋骨何本か折れたかもしれない。



身体中に激痛が走って、血が垂れる。



…いや、俺ならまだやれる。



折角ここまで繋いだんだ。無駄にする訳にはいかない。


赤い人
…ッま、て…!!



赤い人は、俺が動けない…ほっといたら死ぬと判断したのか、次の獲物___ころんへとタゲチェンした。




俺の前から居なくなる。









早く…お願いだ、ころん。




頭を…頭を入れてくれ…!!!





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