俺たちの朝は、
雄也を起こすところから始まる
目を開けて、ぼーっとしている雄也
数日前に重度の鬱病と診断されてから
できるだけ本人の負担にならないように、
俺らは手探り状態で接している
自力で起きることができない上に、
身の回りのお世話は全てメンバーに任せている
自分の意思を伝えるのが難しい時は、
Yesの時は瞬きを一回
Noの時は瞬きを二回
っていう風に
ひとつだけルールを決めているんだ
瞬きを一回してくれたから、
とりあえず挨拶はおっけー
ここ数日は、
ほとんどベッドの上で生活している
ピピピピッ
36.7の文字が表示されている
'' どこか痛いところない? ''
と触診しつつ聞くと
すると、急に顔を手で覆ってしまい
最近の髙木は、日に日にネガティブなことを言うことが増えてきている
鬱病特有の自◯願望ってやつかな?
とにかく、不安にさせないようにしないと
涼介はすぐに察したらしく、
雄也に優しく話しかける
一口でいいから、食べてほしいなぁ
(あとは点滴で補うから←)
なかなか食べようとしないので、
仕方なく点滴をすることに
点滴のチューブを固定して、とりあえずひと段落
今後の容態次第だけど、
お薬を口から飲むのも厳しそうかな、と思い始める
山田は、カルテを書くため
一旦部屋をあとにした
このシェアハウスでは、
近くの総合病院と連携していて、アドバイスを受けたり、相談したりして髙木の治療を行なっている















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。