第357話

増えていく脱落者
9,874
2019/12/15 11:52







side:佐藤















今日はアオハルの振り確認の日で 。


終わってから西畑と飯食いに行こうしたんやけど


部屋に練習着忘れたバカですどうも ( )


それで取りに戻ってきたねんけど


誰もいないはずのレッスン室に


なぜかスパイクの音がなっとった 。


そこにいたのは 、鏡と向き合ってる道枝やった 。























































『 … なーんしてんのっ!』



道枝「 うわっ 、ビッ 、クリした … 」



『 にひひ 、居残り練習?』



道枝「 はい 、まあ 」



『 え 、英単語見ながらやってるん?!
うわ勉強熱心な子好きやで〜???』



道枝「 テスト近いんですけど
覚えられないんですよ 」



『 いやそらな 。2ついっぺんは無理やわ 。
どっちか時間決めてやればええのに 笑
まだ4時やし時間たっぷりあるやんか〜 』



道枝「 … 時間なんか 、ないですよ 」



『 … え?』



道枝「 いやっ 、なんでもないです!
あなたちゃんは忘れ物取りに来たんですか?」



『 あー 、うん 、』



道枝「 そうなんですか 、気をつけて
帰ってくださいね?お疲れ様でした!」






























































ニコッって私に笑いかけて


また鏡に向き直す道枝 。


… 絶対頑張りすぎてるんやろな 、。


学生のうちはグレるのが大半やったのに … 笑 ←


ここは先輩が元気付けてやりますか!( )




































































『 … 道枝ーーー 』



道枝「 え?まだ帰ってなかったんですか 、」



『 え 、いちゃ悪い?』



道枝「 あ 、いや 、そんなことないんですけど 」



『 … 何が心配なん?』



道枝「 … はい?」



『 何が心配でそんなに踊ってるん?
もう完璧やん 。本番間違えるのが怖いん?』



道枝「 、、、」



『 なんでそんなに頑張ってんの 』



道枝「 … あなたちゃんには関係ないです 」



『 … ふーん 、あっそう 』



道枝「 ……… 」



『 守屋周斗?』



道枝「 ! 」



『 … 守屋も辞めたな 』



道枝「 … 辞めてません 、まだいます 」



『 ……… 道枝 』



道枝「 もりしゅーはいます 」



『 もうおらんよ 』



道枝「 だってまた一緒に踊るって 、!!!」




































































道枝は目にいっぱい涙を溜めて私を睨んだ 。


あぁ 、ほんま昔の私みたいや 。


仲間が消えるってのは頑張りを失うことやし 、


それが原因で腐る奴もたくさん見てきた 。


だからこそ 、道枝を助けたい 。


私がみんなに支えられてきたのと同じように 、


今度は私が道枝を支える番なんや 。


私はぎゅっと強く 、道枝を抱きしめた 。



























































『 大丈夫 、大丈夫やで 』



道枝「 っ 、、、泣 」



『 永遠のさよならじゃないねん 。
最後会った時守屋になんて言われた?』



道枝「 … また 、な 、って 、、ズズッ 泣 」



『 … 守屋らしいやん 。
またな 、は"また会おうな"やろ?
ずっと守屋は道枝の頑張り見てんで 。
"また会ったら一緒に踊ろうな"って
意味も込めてるんとちゃう?笑 』



道枝「 ふぅっ 、、、泣 (ぎゅぅ)」



『 大丈夫大丈夫 、またすぐに会えるで 』




























































そう言って道枝の頭を撫でた 。


過酷な戦場だからこそ残れるものは限られてるし


残れないものはすぐに脱落してしまう 。


そんな脱落者を何人も見てきたからこそ


次は自分かもしれないって怖くなるんや 。


自分の恐怖も紛らわすように


「 大丈夫 」そう呟いた 。













プリ小説オーディオドラマ