第8話

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2025/11/20 15:38 更新




















 翌日から、恭平は僕達に近づいてこなくなった。


 大吾くんも流星くんも恭平にだけは頑なに話しかけないため、グループ中が仲違いしたことを察してしまったようや。
大橋和也
なんか最近、恭平1人で居ること多ない?
藤原丈一郎
なんか、恭平が大吾の私物を必要以上にパクったらしいで。まあ、詳しいことは分からへんけどな
大橋和也
なあなあ、みっちー詳しいこと知らん?ほら、結構大ちゃん達と一緒に居たやん?やから、なにか知ってるかなって
道枝駿佑
えっ?い、いやっ、別に
大橋和也
そっか、なんか俺らも居心地悪いな〜

 少し前までは楽しかった関係が、嘘のように消えてしまった。


 恭平と大吾くんの関係をどう修復したらいいのだろうと悩んでいると、隣に座っていた長尾が言った。
長尾謙杜
これ、いる?

 黄色いパッケージでレモンと書かれている袋が机に置かれる。
長尾謙杜
パチパチするやつ苦手やないやろ
道枝駿佑
ありがと

 長尾からお菓子をもらえたことが嬉しくて、袋の中から小さな包みを1つ取る。


 それを開封すると白くて丸いラムネの中に、黄色の粒が入っていた。


 口の中でしゅわっとラムネが溶けていく。


 そしてすぐに舌の上でなにかが弾け出した。
道枝駿佑
―っ!

 言葉にならない声を上げて、口元押さえると長尾がおかしそうに笑う。
長尾謙杜
パチパチするって、言ったやん
道枝駿佑
や、やって、こんなに弾けるとは思わへんくて!

 変な声を出してしまったので、あとからじわじわと恥ずかしくなってきた。
長尾謙杜
他の味もあるから、あげる

 長尾が袋から3種類のラムネを取り出すと、僕の目の前に並べる。
長尾謙杜
気晴らしに食べてや

 きっと長尾やって、僕達の関係の変化に気づいているはずだ。


 もしかしたら気を遣わせてしまったのかもしれない。


 後ろから視線を感じて振り向くと、恭平がこちらを見ていた。


 けれどすぐに目を逸らさられてしまう。


 こんな状況なのに、長尾と話して、1人だけ浮かれてしまったことに罪悪感を抱いた。


 ……恭平と話をした方がいいかもしれへん。


 そう思って、立ち上がったが、休憩時間が終わってしまい、話しかけることができなかった。




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