翌日から、恭平は僕達に近づいてこなくなった。
大吾くんも流星くんも恭平にだけは頑なに話しかけないため、グループ中が仲違いしたことを察してしまったようや。
少し前までは楽しかった関係が、嘘のように消えてしまった。
恭平と大吾くんの関係をどう修復したらいいのだろうと悩んでいると、隣に座っていた長尾が言った。
黄色いパッケージでレモンと書かれている袋が机に置かれる。
長尾からお菓子をもらえたことが嬉しくて、袋の中から小さな包みを1つ取る。
それを開封すると白くて丸いラムネの中に、黄色の粒が入っていた。
口の中でしゅわっとラムネが溶けていく。
そしてすぐに舌の上でなにかが弾け出した。
言葉にならない声を上げて、口元押さえると長尾がおかしそうに笑う。
変な声を出してしまったので、あとからじわじわと恥ずかしくなってきた。
長尾が袋から3種類のラムネを取り出すと、僕の目の前に並べる。
きっと長尾やって、僕達の関係の変化に気づいているはずだ。
もしかしたら気を遣わせてしまったのかもしれない。
後ろから視線を感じて振り向くと、恭平がこちらを見ていた。
けれどすぐに目を逸らさられてしまう。
こんな状況なのに、長尾と話して、1人だけ浮かれてしまったことに罪悪感を抱いた。
……恭平と話をした方がいいかもしれへん。
そう思って、立ち上がったが、休憩時間が終わってしまい、話しかけることができなかった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。