第8話

報告書7
401
2024/09/13 21:51 更新




太宰が部屋を後にすると、そこには那津と森だけが残された


森鴎外
森鴎外
...驚いたかい?


扉を見詰めながら、森は那津に問い掛ける

森鴎外
森鴎外
私と太宰くんは、彼が此処へ運び込まれた時からの付合いなのだけど
彼はあの様な子共でね。自殺を趣味にする様な特殊な子なんだよ。
死にたい理由を聞いたのは初めてだったけど
那津華陰
那津華陰
......



森がそう言うと、那津は口元を少し歪めた


那津華陰
那津華陰
...首領も、面白い冗談を言ったものだ...


そうして、扉からゆっくり視線を外し...













那津華陰
那津華陰
.........彼に惹かれた理由が、分かった気がします


何かを言いかけた所で思い留まり。

せめてもと、那津は絞り出すように呟いた
森鴎外
森鴎外
...


那津の言葉を聞いた所で、森は視線を彼へ移した


那津華陰
那津華陰
首領は、太宰くんが僕を指名する事が分かっていたのでは?
森鴎外
森鴎外
...さぁね。でも仮にそうだとしたら
君はどうするんだい?
那津華陰
那津華陰
...ククッ、どうもしませんよ
僕は僕のするべき事をするだけです
 


そう言うと、那津は森の前へ足を進め、懐を漁り一枚の紙を取り出した



那津華陰
那津華陰
僕の本来の来意らいいであった調査の件ですが...
早くて今宵、遅くても明日には解決するでしょう
森鴎外
森鴎外
ふむ、那津くんが言うのならそうなのだろうね


ヒラヒラと揺らされている書類に森が手を伸ばすと、那津は其れを床にばら撒いた
森鴎外
森鴎外
那津華陰
那津華陰
では首領、僕はこれで失礼致します


語尾に音符が着くような弾んだ声でそう言うと、那津はクルッと扉の方に向かう
森鴎外
森鴎外
ありがとう
...因みにこの書類は...

🚪<キィィィ...

那津華陰
那津華陰
必要ならご自分で拾って下さい((ニコッ
森鴎外
森鴎外
否でも之は君g




🚪<パタンッ










森鴎外
森鴎外
...



那津が去った後、森はシクシクと書類を拾い集めたのだった























翌日、擂鉢街にて...
広津柳浪
広津柳浪
横浜租界...先刻此処で巨大な爆発がありました。其の跡地に
何時からか勝手に街を創り始めた。それが此処、擂鉢街です
太宰治
太宰治
フゥン...



広津の説明に、太宰は何処か他人事の様に相槌を打つ


太宰治
太宰治
へぇ、外国には鍍金めっきを飲厶自殺方法があルのか...


其れもその筈。太宰は本、しかも”完全自殺読本”と言う、
一部にしか需要の無さそうな本を読みながら、広津の話を聞いていたのだから。

太宰治
太宰治
ん?「但し、飲ンだ者は生きなガら内蔵を溶かさレる」?
うェー、試さなくて善かった...


一見すれば本を読んでる様にしか見えないが、
これでも確り片手間に調査は進めていたのである。


太宰治
太宰治
ねェ、今の知ッてた?えェッと...
広津柳浪
広津柳浪
広津柳浪ひろつりゅうろうです。
...勉強になりました


太宰の質問に、広津は言葉を選びながら答えた

広津柳浪
広津柳浪
(幼いとは言え、彼は先代殺害の場に居合わせていた...油断大敵だ)


那津からの御願い受けた太宰は、”銀の託宣”を用い、広津に同行を求めた。

広津自身は太宰の事を訝しんで居たのだが、首領命令と同等と強制力のある銀の託宣を使われ、
更には信頼を置いている那津も同行すると聞き、了承したのだ


太宰治
太宰治
そウ言えば広津さん、那津さんハ何処に居るノ?
広津柳浪
広津柳浪
...あの方なら、独断での調査をしています。
その後に合流か、何かしら連絡が有るかと
太宰治
太宰治
そッかァ...


軽々しく名を呼ぶ太宰に広津は眉を潜め、太宰は那津の現状を聞き残念そうに呟いた


そして、再び本に視線を戻す



太宰治
太宰治
あ!
広津柳浪
広津柳浪
太宰さん


何か気になる文面でも見つけたのか、弾んだ声を上げた太宰に、広津は声を掛ける


太宰治
太宰治
はい?
広津柳浪
広津柳浪
此処から先は抗争区域です、御気を付けて


📙<パタンッ、

太宰治
太宰治
抗争?


自殺本を閉じながら、太宰は首を傾げる


広津柳浪
広津柳浪
えぇ、現在ポートマフィアと敵対している組織は3つあります
広津柳浪
広津柳浪
1つ目は高瀬會たかせかい
広津柳浪
広津柳浪
2つ目はゲルハルトセキュリテヰサァビス
広津柳浪
広津柳浪
3つ目は未成年のみで構成された互助ごじょ軍団で”羊”と言う―――




📱<ビリリリッ、ビリリリッ、





広津の言葉を遮る様に、太宰の携帯が鳴った


太宰治
太宰治
あ、森さんカらだ



通信相手を確認すると、太宰は携帯を開いた


太宰治
太宰治
もしもし...ウん、色々判ッたよ


太宰治
太宰治
結論を云うと...先代は居たヨ、
どうやら地獄の底かラ這い上がって来たみタい



そう言うと、太宰は不敵な笑みを浮かべる。



那津華陰
那津華陰
広津さん
広津柳浪
広津柳浪



太宰の様子を見ていた広津だが、不意に聞こえた声に身体を後ろに向ける。



すると後ろにあった建物の屋根に、煙管キセルを咥えた那津が座っていた。


広津柳浪
広津柳浪
那津幹部...
那津華陰
那津華陰
驚かせてしまい
そして連絡が出来ずに済まないね
広津柳浪
広津柳浪
いえ、...用事はお済みで?

広津が問い掛けると、那津は煙管を吸い、吐いた
那津華陰
那津華陰
フゥ...未だだ。が、一寸急ぎで伝えたい事があってね


そう言うと、那津は太宰の方に視線を向けた


那津華陰
那津華陰
さっき赭色の髪の―――
太宰治
太宰治
うン、詳細は帰ってから―――



ゴゥゥンッ!!





那津に釣られ、広津が太宰の方に目を向けたと同時に、突然何かが太宰へ衝突した






那津華陰
那津華陰
―――っと、少し伝達が遅かったな
広津柳浪
広津柳浪
太宰さんっ!?

焦る広津とは反対に、那津は何処吹く風と言う感じだ



ドゴォォンッ!




そして勢いに従って、太宰は瓦礫の下に埋もれてしまった




クククッ...アハハハハッ!



衝撃音と楽しそうな高笑に、二人は視線を其方に向ける。
なぁーんだ、唯の餓鬼かよ‪𐤔














そこには、赭髪を持ち、ポケットに手を入れ乍、地面に転がる太宰を踏みつけている少年が居た
















中原中也
中原中也
泣けル人手不足だナぁ?
ポートマフィアさんよォ‪𐤔
▷▶To be continued

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