ある夜、シャイロックはバーの
片付けをほとんど終えたところ、
急に厄災の傷が発動し、心臓が燃え出した。
あまりもの痛みにその場でしゃがみ込む。
カウンターの横を握り、胸を抑える。
シャイロックは少しの間1人で
うずくまって荒い息をしていると、
急にムルが現れた。
ムルはその場で数回転してから
ルンルンとあなたを探しに行った。
あなたは自分の部屋で静かに賢者の書に
その日の出来事を書き込んでいた。
すると急にわっとムルがドアをノックせずに
開いて飛び込んでくる
そうとだけ言って、あなたは賢者の書を閉じて
急いで部屋を出てバーに向かった。
駆け込むと、シャイロックが
バーカウンターの後ろでうずくまって
しゃがみ込んでいる姿が見えた。
痛みの中、シャイロックはあなたを見上げると
少しホッとした表情になる。
急に力が抜けたのか、彼は前に倒れ込みそうになる。
あなたはサッとシャイロックを支え、
隣にしゃがむと、優しく彼を引き寄せて
背中をさすった。
あなたの声はいつもより一段と優しく、
シャイロックをそっと抱きしめながら
息を整えさせようとする。
彼の燃える胸元にそっと手をかざし、
賢者の力を流れ込ませる。
シャイロックの厄災の傷は、賢者の力で
完全に止まらせることはできないが、
少し癒して痛みを和らげることはできる。
シャイロックはあなたの言葉に苦笑し、
痛みが少し引くと、よりあなたにもたれかかった。
あなたは静かにその場から動かず、
シャイロックを抱えながら一緒に座っていた。
やがて厄災の傷は収まって、
吹っ切れたかのようにシャイロックの体は
ずっしりとあなたの腕の中で重くなった。
シャイロックはこくりと頷く。
あなたはそっとシャイロックの腰に手を回し、
立ち上がるのを支えた。
シャイロックはほとんど完全に
あなたに体重を預けていた。
あなたはゆっくりシャイロックをバーのソファに
下ろしてから隣に座った。
シャイロックはそのまま深呼吸をしながら
あなたにもたれかかる。
シャイロックはふふっと静かに笑い、
あなたの肩に頭を置く。
彼の周りはやはり落ち着く。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。