~三ツ谷side~
何をやるにも、最近はやる気が起こらない
理由は考えるもなく分かる
痛いぐらいに良く分かる
好きだった、大好きだった
同い歳なのに、妹のような感じがして
俺に向ける明るい笑顔とか、冗談だとか
時々見せる壊れそうなほど脆い笑顔とか・・・
守ってやりたいと、こんなにも大切にしたいと
そう思ったのはあなたが初めてで、多分これからもあなた1人だけだと思う
もちろんルナもマナも大切な妹、守ってやりたい
それでもやはり、あなたにはまた別の何か違った感情もあって
多分、本気で好きだったんじゃないかなと思う
“好き”には色んな種類があって
友達として、仲間として、家族として・・・
そして、異性としての恋愛的な意味で
恐らく、俺のあなたへの“好き”は異性としてだったと思う
あなたのことを好きだということには変わりない
けれど、失ってからこの好きが恋愛的なものだと気がついた
ほんと、馬鹿だなと思うよ
あなたは2人のこと、俺の妹で強いから大丈夫だって言ってたけど・・・
俺は強くなんてない
あなたと同じで、兄という立場故に強がってた
だって、現に1度全て投げ出して逃げたから
泣きたい気持ちを殺して、ルナとマナに寄り添って
大切な仲間が、大好きなやつがいなくなって
もう会えないほど遠い場所に行って
辛くないやつがいるわけなんてないじゃないか
どれだけ戻ってきてくれと叫んでも、名前を呼んでも
それに答えてくれるものなんてなくて、また胸が締め付けられる
付き合ってほしいだとか、隣を歩いてほしいだとか・・・
そんな贅沢は言わないから、またその優しい笑顔を、愛おしい笑顔を、俺に向けてくれよ
ありがとうも、大好きも・・・
全部全部、俺のセリフだ
あなたはいつもひとりで抱え込むから、俺を頼ってくれた時本当に嬉しかったんだ
ちゃんと、俺のことを信頼してくれていると分かって
すごく、嬉しかった
けれど、あなたに打ち明けられたその秘密は絶望的で
あなたが隠し通そうとした意味が良く分かった
それでも、話してくれたことが嬉しかったから
あなたをひとり寂しく旅立たせることがなくなった
悲しいけど、辛いけど、今にも泣き叫びたいけど・・・
それでも、ちゃんとお前を知れて良かったって思う
俺らのことを考えてひとりで抱えてたんだろうけど
俺としては、勝手にいなくなられるより、こうしてちゃんと別れを告られた方が報われる
だから・・・
お前が守りたかったもの、ちゃんと守るから
前を向いて、お前に心配かけないように
笑って、これでもかと言うほど幸せになってやる
だから、お前ももう俺らの心配はしないで少しは自分勝手になれよ
この先、好きな人ができたもしても
あなたのことは、生涯忘れることはないだろう












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。