光一
ローラ、おはよう
ローラ
おはよう、エディ。昨日は、よく眠れた?町は、どうだった?なにか、発見はできた?
光一
ローラ、君はなぜ・・・
エディ(光一)は、ローラがいつも悲しそうに笑うのを気にしていた。
いい笑顔なのに、なんだか、淋しそうなんだ。
ローラ
・・・・・?なにも、なかったのか?
光一
それより、俺はこの部屋にいてもええんか?
きっと、アーサー様が・・・・
邪魔なら出ていくから
ローラ
いいのよ?エディ、ここにいて?
アーサー様は、わたしに興味なんて持ってないのよ。わたしに、優しい言葉なんてかけてくれないんだから
あんな人じゃなかったのに・・・
そのとき、いきなりドアが開いた。
アーサー
ローラ、なぜお前はここにいる
現れたのは、アーサー様。
ローラ
ここは、私の部屋ですよ?アーサー。
アーサー
えっ?
光一
(気付いてへんかったんか?)
ローラ
なにか、ご用ですか?
ノックもせずにはいるなんて・・・・
光一
そ、そうや
という俺は、ここにいてええんか?
光一
ローラ・・俺が出ていけば・・
アーサー
ローラ!ちょっとこっちへこい!
エディが、ローラになにか聞こうとしたのを振り切ってアーサー様は、ローラを、連れ出していってしまった。
ローラ
な、なんでしょうか・・・
アーサー
わたしに、許可なくこの男を、部屋にいれたのか?
もう、あの男には、関わるな!
ローラ
違います!
アーサー
ではなぜ、一緒にいる!
光一
いや、あの人の話聞いてました?
最初に言いましたよね?
俺、この部屋にいつのまにか、運ばれていたって
アーサー
あっ?
ローラ
わたしは、この男のものだ!
アーサー様には従いません。
光一
えっ?
ローラの爆弾発言・・・
アーサー
俺の言うことが聞けないというのか?
ローラ
あなたといても、なにも楽しくありません。
あなたは、そんな人ではなかったはずです!そんなに月の国の双子がほしいなら・・・
アーサー
お前、あいつに何を教えた。いつから俺に逆らえるようになった
ローラ
アーサー様が、変わられてから、ずっと思ってきた・・・あなたは、きっと、操られているだけ・・・・
もう、誰の命も奪わないでください!お願いします!
光一
月の国の双子?
あ、あのさ、ふたりともやめないか?
アーサー様に、必死に訴えるローラだったが・・・・
ローラ
なぜ、戦争なんて・・・
あなたは、本当は、お優しい・・・
アーサー
うるさい!!
光一
な、なんや?エンブレムが黒くなった?
アーサー
ローラ、これ以上逆らえばおまえでも命はない。
ローラ
私は・・・
アーサー
よく、心得ておけ・・・・
ローラーは、泣いてるし、アーサー様は、冷たいし・・・・
ローラ
ただ・・・・
アーサーは、ギロリと俺たちを睨むと、颯爽と去っていった。
ローラ
あなたのそばにいたいだけ・・・・
光一
ローラ?大丈夫か?
ローラ
なんでもない・・・なんでもないよ
光一
俺のせいやな?あの人が冷たいのは・・・
ローラ
違うわ・・・きっと、わたしのことがきらいなの。
それに、アーサー様には、もう、心に決めた人がいるの・・・・
光一
・・・・心に決めた人?
つまり、交際を、申し込む人?
ローラ
今日、二十歳のバースデーを、迎えた月の国の双子の王女・・・
光一
月の国・・・・
双子・・・
それは、つまり、どちらか1人ってこと・・だよな
ローラ
かれは、二人のうちのどちらでもかまわないから、結婚したいみたいなんだ
光一
どちらでもええって、そんなええ加減な・・・
ローラ
目的はそれだけじゃないみたいだけど・・・
光一
そんなの愛したことにはならない!どっちでもいいなんて、ちゃんと答えになってへんわ!
ローラ
エディ?
光一
・・・・
ローラ
あなたを1人で街へ行かせたのも・・・
何の罪もない人たちの命を奪うのも・・・・
光一
なにかに操られているとか言うてへんかったか?
ローラ
わたしは、いいんだ。アーサー様が、それで幸せなら・・・それでいい・・・
光一
そんなのおかしい!俺は・・・
俺は1人しか愛さない・・
例え想いが届かなくても・・・・
ローラ
エディ・・・
光一
すまん・・・なんか、そんな気がするだけなんだ・・・
ローラ
エディは、きっと一途な人なんだね
光一
えっ?
ローラ
記憶なくしても、ずっと想い続けている人、いるんだね
光一
ずっと想い続けている人か・・・
いたような?
いなかったような?
光一
ローラ、さっきの話しは、本当か?
戦争を、起こしてるって
ローラ
エディ、わたしと無理に一緒にいることないよ。
部屋はちゃんと用意するから
光一
質問の答えに、なっていないじゃないか
正直に、話して?
俺は逃げないから
ローラ
・・・わたしといるといやな匂いがするんでしょ?もう、ここにいちゃダメ。
もう、あんなことしないから・・・
光一
俺は、君に協力したい
ローラ
あなたを、わたしの男と宣言しちゃったわけだし・・・
一緒にいなきゃならないか
光一
そう、そういうことや。
ローラ
いやな匂いの原因は、このエンブレム・・・
呪いのエンブレムと言われているの。
わかったでしょ?呪いを解くには愛が必要と言ったけど、わたしには、一生無理なんだって
光一
俺のも、ローラと同じなんやろ?
ローラ
あなたのも同じではあるけど・・・
アーサー様と同じ額にあるわね・・・
なにか重要な指令を与えられたのかもしれないわ・・・
光一
これが、指令?
呪い?
なぜ、君と違うんだ。
俺の方が、よそものじゃないか
ローラ
エディ?
光一
アーサー様は、やっぱり何かに取りつかれているんだ。
きっと
ローラ
わからないわ・・・
でもね、きっと呪いが強くなったら、もうこんな風に話せなくなる・・・
わたしが、わたしじゃなくなるから・・・
それは、心を、汚されてしまうから・・・
光一
そんな・・・
ローラ
このエンブレムが、黒くなる前に、あなたに、マーティに・・・、協力したいわ
光一
ありがとう。俺も・・・・
ローラの協力を、する
必ず、君のことも助ける
アーサー様との愛が実るように。
ふたりは、お互いの協力を、することにした
ローラ
助からなくていいよ・・・
愛されてないから、死んだ方がましだ。
アーサー様が死ぬよりずっといい・・・
光一
ローラー、そこまで彼のことを思っているのに・・・
ローラ
じゃあ、また
光一
まて、ローラー
ローラ
えっ?
思わず腕をつかむエディ・・
光一
死ぬなんて考えるな
生きるんや。
お前がアーサー様を好きな気持ちは本物や。
俺が、保証したる。
一生に、1度の出会いや。
さっき、俺に言ってくれたこと、そのまま返すわ
ローラ
えっ?
光一
ローラーの方が、一途な恋してるやん。
アーサー様1人のことをずっと思ってるから・・・
死んだら終わりやで?
そう思うこともなくなるから。いま、死んだらなにもかもおしまいやで?
ローラ
・・・・・
光一
ローラー?
な、なんか言えよ・・・
は、恥ずかしいやん
ローラ
あなたがもし・・・
光一
えっ?俺が?
ローラ
あなたのような人が、国の王なら・・・
この国は変わったのかもしれない
以前のアーサー様なら・・・きっと・・・
光一
ローラー・・
なんて、淋しそうに笑うんだ
ローラ
・・なんてね・・・それじゃあ、また、後でね
光一
あぁ
俺は、ローラーを、心から、助けたいと思った。
そして、あの少女のことも、自分が何者であるかも、
知りたい・・・
剛
光一・・
光一
な、なんだいまの・・・・
剛
・・・?
光一?
指輪が反応したような?
光一
・・光一??
俺には、まだ、その名が、誰のことかわからずにいた。
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第21話 20
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。