真っ赤な血を、最初何色であったかもう分からない使い古したスポンジで擦る。
誰も聞いていないと分かっているからこその声量で呟く。
予想外の声が聞こえる
人の気配なんてしなかったのに、
余裕そうにこちらを見る
何とか話を繋げるために喋る
何で思わせぶりな態度を取るんだろう、期待してしまうからやめて欲しい…。
…嬉しいけど
そう言って透明な水がなみなみと入った槽を差し出す
kmtsが鈴のついたチョーカーと鳥のピンバッチを袋から出して槽に入れる
血を落とすなら服もあるはずだ
気楽そうに喋るが、鈴とピンを洗うのはとても丁寧で洗う音がとても小さい。
二人とも、丁度同じタイミングに洗い終わった
ギュッ、っと最後に思いっきり水を絞る
嬉々として喋るkmtsに少し突っ込む様に言う
桶の薄い赤に濁った水を捨て、立ち上がる
少し古びたドアを開け、自分の部屋へ帰る
azが食い入る様に喋る
デリカシーがないのかあるのか分からない。
しかし、azが楽しそうに話すのを見るのは悪くない
kmts、楽しそうだなぁ。そういう所が好き。
kmtsが笑うと鈴が転がるように、という比喩ではなく実際に鈴が鳴る。確かに猫みたい。
鈴が小刻みに揺れる
困ってるのか嬉しいのか微妙な苦笑いをしたopがドアを開けて突っ込む。
一、二時間前の薄暗い気持ちが、いつの間にか晴れていた












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!