カラン
小さく音楽が聞こえる店内に、静かなベルの音が鳴り響いた。
まだ小さなコップ一つしか頼んでないらしく、酔ってはいなそうだ。
cnm先生がよく飲む、値段も度数も高い酒が瓶で置いてあった。
メニューが置いてあるcnm先生の隣の席に座る。
少し子供っぽい口調なのに、目に光は無く並々と入った酒の瓶を見つめている。
多分、この組織にスパイがいるとか言われてる事。
cnm先生はコップに酒を注ぎ、まだ氷が溶けていないので、ガラス製のコップとぶつかって気持ちの良い音を立てる。
両想いなんだから、とは言えない。
だって最近opがkmtsばっかり見てるから。二人で抜け駆けして欲しくないから。
cnm先生につられて、酒に目をやった。
たまには飲むか。そう思ってメニューを開く。
cnm先生って、こういう所がしっかりしてる。
小さく手を挙げ、バーテンダーを呼び止める。
opが好きだから、という変な考えが過ぎる。実際そうでもあるけど。
図星。こういうのは鋭い。
今日来て初めてcnm先生が笑った。
安心したのか、自分も少し笑みが溢れる。
俺が来て、一時間程経っただろうか。
赤ワインを2杯とcnm先生のお酒を1杯貰った。
ふにゃふにゃとした喋り方。結構出来上がってる。
仕事もまだ残ってるし、帰んなきゃなぁ…
酔いが回っていたからか、少しふざけて言う。
まじか。
こう言ったら聞かないのがcnm先生。
そう言ってcnm先生の手を引く。
お金は最初に払ってくれた様だ、それの借りを返すと思うことにしよう。
耳の横で囁かれる。
生まれつき、だし。
確かに、普通なら耳が良いkmtsは弱そうだけど、実際は大分強い。
人通りが少ない路地に出て、cnm先生を背中に乗せる。…、意外と軽いんだ。
帰ったらもう少し食べさせよう。
そう思って細い隠れ道から帰っていった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。