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第6話

初恋の決まり第六条
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2023/02/23 16:50 更新
あなた
おはよう御座います。
カラカラと、教室のドアを開ける。




さっきのこともあって、少し…いや、だいぶ混乱していた頭もすっかり冷えてたようだ。






スタスタと窓側の自分の席に移動して、とりあえずスケジュールアプリに《玲王君と帰る。》と入れ込んでみたりした。


あなた
………
あなた
(やっぱ無理ぃぃぃ……)
改めて、幸せと恥ずかしさが込み上げてきて急いでその文字を消していた時、
やっほ!あなた!
あなた
ひぃゃぁっ!!!?
あなた
こ、こなた…!!
厚木こなた
じゃーん!あなたの好きなこなたちゃんだよ〜
数少ない私の友達、厚木こなたが話しかけてきてくれた。こなたは国会議員の娘で情報通な陸上部である。
厚木こなた
しっかし………聞きましたよ〜?奥さん
あなた
もうそんなに情報がまわってるの…?!
厚木こなた
そりゃもちろん!さっきの事でしょ〜?
あなた
………やっぱかぁ…
厚木こなた
玲王王子から舞踏会のお誘いを貰ったんだってー?やだぁ〜、うちのあなた姫が取られちゃう〜
あなた
だから、そう言うのじゃ………
厚木こなた
そんな遠慮なさんなって!もー、赤くなっちゃってー!あなたは可愛いなぁ〜!
あなた
だから、もぅ!!声を抑えて!
厚木こなた
はいはい、ごめんごめん!にしても、大丈夫なの?玲王王子のことだから女子からの嫉妬やばそうじゃない?
あなた
三年の先輩は特に怖い。
厚木こなた
即答だねぇー、二年は?一年は?
あなた
遠くでヒソヒソしながらこっちのことずっと睨んでくるよ…自分の人相の悪さに初めてお礼を言いたいくらい。
厚木こなた
はぁ?あなたの人相が悪いとか、誰が言ったのよ?!あなたほどの美人私は見たことないよ?!
あなた
だから、声!
厚木こなた
あ、ごめん…!
あなた
人相が悪いのは分かりきってること、私が話しかけたり、人の方を向いたりすると皆目を逸らすわその場から退散するわ……
あなた
もう私にはこなたしかいないよ…
厚木こなた
え、じゃああなた、クラス離れたら完全ボッチじゃん。
あなた
友達の作り方……っていうか、逃げられない話し方を教えて…
厚木こなた
えぇー?無茶苦茶いいますやん
厚木こなた
うーん……まぁ、あなたは近寄りがたい雰囲気醸し出してるところあるしね…
あなた
え〜…??どんなの?
厚木こなた
なんだろ……美人の圧というか……本場のお嬢様感と言うか…
厚木こなた
うーん…玲王王子をシャイニングプリンスとした場合、あなたは氷の姫みたいな??
あなた
し、しゃいにんぐぷりんす?光の王子?
厚木こなた
うん、でも、そんな感じっしょ?
あなた
………否めない
あなた
なんだろ、あの光属性感…
あなた
例えるなら…舞弥…?
厚木こなた
あー、妹ちゃん?
あなた
うん。でも、なんだろう、舞弥とも違う…
もっと……
厚木こなた
もっと…?
あなた
………ぁ、いや、な、なんでも、ないや
厚木こなた
なんやねーん!
最悪だ。最悪、最悪だ。

やっぱり、こんな気持ち、封印すべきなんだ。


こんな風に、この気持ちを感じたくなかった。


1人では処理しきれないドロドロとしたような、それでも、胸の奥で燃えるような、そんな思いを、



やっぱり、私は封印した方がいいんだ。
あなた
(ずっと、玲王君に、恋して、憧れて、それなのに、何も言えなくて…何もできなくて…)
あなた
(これ以上、こんな思いをしたくない…)
あなた
(でも、私はそれから逃げられない……)











あなた
(こんな私なんて、だいきらい。)









やっぱり、初恋なんて、










叶わないんだよ。

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