you side
「 …ごめん、少し考えさせて。 」それしか言えへんかった。みんなとデビューしたい気持ちがないわけやない。けど、もうそれを決めきれるほど、私はまだ関西を振り切れてへん。
でも、本気でデビューに向けて直談判して動いていくとなったら、いつまでも悩んでるわけにもいかへん。どっを選択するにせよ、早く決めな。
そんなことを考えながら、ボーッと事務所内を歩いていると、後ろから声をかけられた。
「 何辛気臭い顔してんの?お嬢さん。 」
『 …大毅。 』
重岡「 よっ、久しぶりやなあなた。 」
『 久しぶり。 』
WESTとして、デビューしてからは会う回数がかなり少なくなった大毅。私が東京に来てからは、ちょくちょく会ってるけど、いつも笑かしてくれる私の1番大切な人。
重岡「 どうしたん、またなんか悩んでんの? 」
『 ん、まぁ… 』
重岡「 そんな時は美味しいもん食べて寝る!これや!! 」
『 そんな単純な悩みちゃうねんアホ 笑 』
重岡「 大抵の悩みなんて、寝たら解決するって! 」
そう言ってケラケラ笑う大毅を見てると、自然と私まで笑顔になってまう。こういうとこやんな、ほんまに。
『 …関西とこっち、どっちも捨てきれへん私はワガママ? 』
重岡「 別にそんなことないやろ!関西も東京も、どっちも最高でええやんか。 」
『 でも、どっちか選ばなアカンとしたら? 』
重岡「 え〜、むずかしっ!でも、自分の気持ちに素直になるしかないんちゃう? 」
『 え? 』
重岡「 よーく考えてみ?あなたの隣に将来立っとる人が誰なんか。あなたは、誰の隣で踊ってる? 」
『 私は… 』
大毅にそう言われて考えた時、私のシンメはただ1人やった。真っ先に思い浮かんだのは、アイツやった。
重岡「 その顔、分かったみたいやな。 」
『 …ん。なぁ大毅。 』
重岡「 うん? 」
『 私って、最低? 』
重岡「 そんなわけないやろ、あなたは最っ高の女や。…はよ伝えてきいや?待ってると思うで、あなたの答え。 」
「 大毅、ありがとう! 」そう言って私は事務所の廊下を走った。
走り出しはええけど、アイツらどこ!?全然おらへんのやけど!?楽屋に1人もいないことある!?何なんせっかくの感動の場面で!!
え、もしかしてアソコにおったりする?6人揃って??とりあえず猛ダッシュで行ってみて、扉を開ける。
「 ほらね?来るって言ったでしょ。 」












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。