「じんたーん」
「はいはい」
いつも通りテオくんに背を向けて寝転ぶ。
「じんたん、」
テオくんが俺の腕を掴んだ
テオくんと向かい合って
目が合って
目が逸らせない
「っ…なに、」
テオくんの目が俺の気持ちを見透かしてるみたいで落ち着かない。
テオくんから目を逸らしたら
抱きしめられた。
「っえ、?」
テオくんの匂いが毒みたいに体を巡って
体が熱をもつ
やっぱ好きだ
テオくんが好きだ
ドキドキうるさい心臓の音を聞きながら
テオくんの背中に手を回した。
「テオくん…」
「ん?」
「俺テオくんの事好き、」
「……まじ?」
「ん、」
なんて思うかな、気持ち悪いって思うかな
テオくんの事を見上げたら
「テオくん…
顔真っ赤」
ねえ、期待しちゃうよ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。