第3話

ep.2
2,488
2022/01/12 09:00
Momo
Momo
サナ前出過ぎ、どいて。
Sana
Sana
ちょ、押さんで!!
Jihyo
Jihyo
静かにして!!
バレたらどうすんの!?
Jeongyeon
Jeongyeon
ジヒョうるさい
Tzuyu
Tzuyu
…あ、あれ、あなたとオンニじゃないですか?




ツウィが指を差した先に居たのは、廊下で立ち話をしているミナとあなた。




メンバーも当の本人達も、あの謎の現象について誰一人知らなかった頃。




ミナとあなたは本当に仲が良かった。




なのに、何で。



you
ミナ先輩、お疲れ様です。




タオルを首にかけたあなたが暑そうに襟をぱたぱたさせながら、挨拶をしてきた。




この頃既に、あなたを見ると自然と嬉しくなっちゃって、いつもドキドキして、それくらい彼女に興味を惹かれている自分がいた。




あなたも練習を終えて、退勤するところかな。



Mina
Mina
先輩呼びやめてって言ったじゃん。
you
じゃあ、ミナ……おんに?




増してやこういうことも恥ずかしがることなく平坦と言ってくるから怖い。




もっと怖いのが、これが無自覚だってこと。



you
…水、飲みますか?




人付き合いが苦手そうだけど、すごく気の利く子で。



Mina
Mina
ううん、大丈夫。
you
そうですか。


塩対応と無愛想がデフォルト。



それでも、この落ち着いた感じがなんとなく好きだったの。



Mina
Mina
この後予定ある?
you
無いです。
Mina
Mina
あの、よかったら…
ダンス見てれないかな。
you
んー、家帰っても暇だし…
じゃあお腹空くまで。
Mina
Mina
ありがとう。




あなたとは謎に意思疎通していった。




趣味も似てるし、初めて後輩で物凄く仲良くなれそうな子を見つけたと思った。




you
うわぁ…ミナおんにめっちゃ綺麗。
Mina
Mina
気になるところとかなかった?
you
ないです。完璧すぎますよ。




鏡越しに体育座りをして私のダンスを見てくれていたあなたと目が合う。




彼女が立ち上がると、その背の高さとスタイルの良さに圧倒されてしまうのはいつものことだ。




あなたが無言でゆっくりと近づいてくる。




私の目の前で止まると、なぜか顔を近づけてきて。



you
おんに、これストーリーに上げてもいいですか?




あなたはさっきの私のダンスの一部をスマホで撮っていたらしい。




進展なんかあるはずない、そう分かっていても、どこか変に期待してたの。



Mina
Mina
…あっ、うん。いいよ?




あなたがにこりと笑った。




あの無愛想なあなたの笑顔、私は透かさずスマホを取り出す。



Mina
Mina
あなた!!
その顔でストップ!!
you
えぇ…




嫌々笑顔をキープするあなた。




さっきみたいに自然な笑顔ではなくなっちゃったけど、あなたは笑ってるだけでも貴重。




後でメンバーに見せよう。
……いや、私だけが知ってたらいいか。




皆の知らないあなたは、私だけが知っていたらいい。




この頃は独占欲まで湧いていたのにな。








.





Chaeyoung
Chaeyoung
やばい、ミナオンニとあなた出てきた。
Jihyo
Jihyo
みんな隠れて!!





隠れようとした時にはもう遅かった。



Mina
Mina
…あれ、みんなここで何してるの?
Dahyun
Dahyun
ろ…廊下の掃除をしてたところです!!
Mina
Mina
掃除?
Sana
Sana
そうそうこの辺埃溜まりやすいやん!?
you
じゃあ私は帰りますね、ミナおんに。
Mina
Mina
あっ…




途中まで一緒に帰ろうって約束してたのに、メンバーのせいで台無しになった。




私はメンバーの方に顔を向ける。




すると誰一人まともな顔をしていなかった。




すごく驚いた顔を全員に向けられている。



Nayeon
Nayeon
ミ…
Jeongyeon
Jeongyeon
ミ…
Momo
Momo
ミ…






"ミナおんに!?!?"





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