麗美が不登校になって、2日。
昼休み終わりの予鈴が鳴り、みんなが席へ。
すると……
教室全体に聞こえるくらいの声でそう琉依に雅が聞いた。
琉依と雅の沙月達を馬鹿にするような会話を聞いて、沙月が立ち上がる。
その様子にクラスが水を打ったように静かになった。
沙月は一直線に琉依達の席に向かう。
そんなことを言いながらも雅は笑う。
沙月の眉間にシワがよって、イラついているのはあからさまだ。
すると、沙月が琉依の机を蹴飛ばした。
床にぶつかる音で、雅の机で寝ていた柚稀がパッと目を覚ます。
"ぶっ殺すぞ"
その言葉を聞いた途端に琉依がバンッ!!と隣の机を叩きながら立ち上がった。
雅と柚稀が琉依の机を戻して、散らばった物を拾っているのが見える。
鼻で笑いながら琉依が言葉を続ける。
散々煽られて、沙月が怒りで震え始める。
だが、何も行動しない沙月を琉依は押して、尻もちをつかせた。
呆れたように雅が言う。
教室の状況を察したのか柚稀が琉依に…
柚稀の言葉が刺さったのか沙月が歯軋り。
その時、授業開始のチャイムが鳴った。
スグに先生が来る。
そう言うと、沙月は悔しそうに席へ。
日直が号令をかけ、席につくと、学級委員の子が前に出てきた。
一息でそう言うと、学級委員は黒板に配役についてを書き始めた。
ふと、視線を横に動かすと沙月がじっと黒板を睨みつけ、何かを狙ってるような気がし、少し怖くなったのだった……。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。