第12話

対立
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2018/11/20 09:42
麗美が不登校になって、2日。
昼休み終わりの予鈴が鳴り、みんなが席へ。
すると……
伊藤 雅
ねぇ、琉依ー。何で麗美ちゃん学校に来ないんだろー?
教室全体に聞こえるくらいの声でそう琉依に雅が聞いた。
如月 琉依
普通に考えて峰本達がいじめたからじゃねーの?
伊藤 雅
あっ、やっぱり?
如月 琉依
うん。ダサいよな。
伊藤 雅
いじめて自分が偉いと思い込みたいとかどんだけ馬鹿なんだろうね。
峰本 沙月
は?
琉依と雅の沙月達を馬鹿にするような会話を聞いて、沙月が立ち上がる。
その様子にクラスが水を打ったように静かになった。


沙月は一直線に琉依達の席に向かう。
峰本 沙月
おい。
如月 琉依
何。
峰本 沙月
今なんて言った?
如月 琉依
普通に考えて峰本達がいじめたからじゃねーの、ダサいよな、これで聞こえた?
峰本 沙月
はぁ!?何様のつもり!?
如月 琉依
何様もないけど?さっさと黙って席に戻って、お仲間達と話したら?
伊藤 雅
琉依、言い過ぎだって〜
そんなことを言いながらも雅は笑う。
沙月の眉間にシワがよって、イラついているのはあからさまだ。
すると、沙月が琉依の机を蹴飛ばした。
床にぶつかる音で、雅の机で寝ていた柚稀がパッと目を覚ます。
峰本 沙月
ふざけんな、ぶっ殺すぞ。
"ぶっ殺すぞ"
その言葉を聞いた途端に琉依がバンッ!!と隣の机を叩きながら立ち上がった。
雅と柚稀が琉依の机を戻して、散らばった物を拾っているのが見える。
如月 琉依
ぶっ殺す?口だけ女王様が何を言ってんの?馬鹿?あ、ごめんごめん。元から馬鹿だったね。
鼻で笑いながら琉依が言葉を続ける。
如月 琉依
ほら、殺してみな?
峰本 沙月
この…っ…!
散々煽られて、沙月が怒りで震え始める。
だが、何も行動しない沙月を琉依は押して、尻もちをつかせた。
如月 琉依
やっぱ口だけじゃん。ほんと、だっせー。
伊藤 雅
もうめんどくさいし、その辺でやめたらー?
呆れたように雅が言う。
教室の状況を察したのか柚稀が琉依に…
空閑 柚稀
そうだよ、琉依。話したところで理解出来ないんだから、言うだけ無駄。
峰本 沙月
っ…!
柚稀の言葉が刺さったのか沙月が歯軋り。
その時、授業開始のチャイムが鳴った。
スグに先生が来る。
先生
はい、日直ー…って、早く席に戻りなさーい。
峰本 沙月
お前ら、覚えてろよ…。
そう言うと、沙月は悔しそうに席へ。
日直が号令をかけ、席につくと、学級委員の子が前に出てきた。
女子
文化祭についてで早急に決めないといけないことが出来たのでこの時間で決めます。
鈴木 綾
おっ、何〜?
女子
各クラスごとに行って競う、『演劇』です。
一息でそう言うと、学級委員は黒板に配役についてを書き始めた。
ふと、視線を横に動かすと沙月がじっと黒板を睨みつけ、何かを狙ってるような気がし、少し怖くなったのだった……。

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