バッと手がいくつも挙がった。
質問に答えようとする私の腕を勝己が引き寄せた。
少し屈んだ勝己に小さな声で説明する。
クラスメイトの視線を感じみんなの方に向き直った。
ホークスは公安直属のヒーローで尚且つ窓の役割も果たしてくれている。
ヒーローと呪術師のパイプ役でもあるわけだ。
ヒーロー嫌いの腐ったミカン共はホークスの事をよく思っていないけれど、公安との繋がりは必要だから表面上は普通に扱っている。
チラリと勝己の方を見る。
本人いるんですけど??
圧が強いなコノヤロウ
この圧を無視するのはいい子モードじゃ無理だ…
何故か勝己がブーイングを食らっているとどこからか高めの声が聞こえた。
声の方に目を向けると、立っていたのはピンク髪をツインテールにした女の子。
うわっ…いかにもぶりっ子って感じ。嫌いだわ
ぶりっ子はそう言って右手を差し出してきた。
…え、私コイツと握手しなきゃいけないの? 超ヤダ。私の手が穢れそう…((
そう思いながらもおずおずと右手を出した。
そう言ってギュッと握られた手の力が明らかにめちゃくちゃ強い。
…コイツわざとやってるだろ
呪力で身体を強化している私からしたら大したことは無いけれど、そうで無ければそこそこ痛いであろう力が込められている。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!