第6話

472
2024/04/22 13:43


ベリアン・クライアン
実は───










ベリアン・クライアン
あなたの下の名前様が、怪我をしてしまったみたいで…


あなたの下の名前様って言ってるけど、まだルカスさんは中身がすり替わったこと、知らないよね?





ルカス・トンプシー
あなたの下の名前様…?
ルカス・トンプシー
ベリアン。申し訳ないけれど、あなたの下の名前というお方は存じ上げていないよ




まぁ、そうだよね。


ベリアン・クライアン
そうでしたね。
ベリアン・クライアン
ルカスさん、1から説明させていただきます、一回で覚えてください。


…ベリアンさん、結構鬼畜なこと言うなぁ、













ベリアン・クライアン
─────というわけでございます。
ルカス・トンプシー
なるほど?
ルカス・トンプシー
まとめると、成り代わり、とやらに似ている現象ものだね。



ルカスさん、飲み込みがはやい…




私、一回じゃ人の話覚えられないから、羨ましいな





ベリアン・クライアン
流石ルカスさん!飲み込みがはやくて助かります。
ルカス・トンプシー
ふふ、私は大層なことはしていないよ?



そうかな?



私、ルカスさん大層なことしたと思う。




ルカス・トンプシー
嗚呼、そうだ。


閃いた!とでも言い出しそうな手振りジェスチャーでルカスさんは言った。



ルカス・トンプシー
主様は、怪我をしているのだろう?


………そういえばそうだった。



ルカスさんに目がいって気にならなかった。


あなた
はい。
あなた
爪を噛んでしまって…血が出てしまったんです。
ルカス・トンプシー
おや、それは痛そうだね。
ルカス・トンプシー
少し見させていただきますね、


うう~……じっくり見られるの慣れてないから手が震える…




はやく…はやく、終わってほしい…、




ルカス・トンプシー
少し血が出ている程度で、大事までには至っていないよ。



そりゃそうだよね。こんなことで大事になってたら大変すぎ。



ルカス・トンプシー
少し消毒させてもらうよ
あなた
消毒…頑張ります


私、消毒苦手なんだけど






ルカス・トンプシー
少し我慢しててくださいね


ルカスさんは消毒液に浸したコットンをぽん、ぽんとリズミカルに叩く。




分かってたことだけど、やっぱり痛い。










ぽんぽん、ぽんぽん。








ルカス・トンプシー
はい、終わりましたよ。


「我慢できて、主様は凄いですね」と、ルカスさんが褒めてくれた。




あなた
ありがとうございます。
あなた
絆創膏は…


どこだろう、絆創膏……


ルカス・トンプシー
絆創膏も私が貼ります♪


そういったルカスさんの手元には貼る準備万端の絆創膏が。



あなた
じゃあ、お願いします




毎回思うんだけど、絆創膏って少し貼りづらく感じる。今はコンビニに貼りやすい絆創膏が売ってるんだっけ。




あれ考えたの、小学生なんだってね。























羨ましい、全部全部。










私と違う世界にいるのだろう、きっと。


羨ましい、









褒められたい、













必要とされたい、















寂しい、













つらい、











要らないことばかり考えてしまう。




ルカス・トンプシー
主様、終わりましたよ
あなた
ありがとうございます、ルカスさん。
あなた
私、ルカスさんと仲良かったんですね。














ルカス・トンプシー
…………何故?



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