第4話

明日にまた会おう
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2025/05/10 08:18 更新
一緒に撮り始めたら、初対面だって事なんて関係なかった。
彼は明日音あすねといい、写真を撮ることが好きだと言っていた。そして、ひょんなことからこの海に来たこと、気に入ってしまって帰りたくないと思っていることを教えてくれた。
あなた
明日音くんはどんな所からきてるの?
海来明日音
明日音でいいよw
うーん、そうだなぁザ・都会って感じ。
こんなにのどかなとこには居ないや。いつも車の音とかで騒がしくって。
海だって近くに無いから少し遠出しなきゃいけないんだ。
あなた
そうなんだ。
いいな。ここには海とかしか無いからなぁ。コンビにだって無いし。
海来明日音
それでも、すっごい雰囲気がいいじゃん!
都会だとあるはずの喧騒が無いというのが彼のお気に入りポイントだそうだ。
でも、僕にとってここは静かすぎる。時間が過ぎていく感覚が遅いと思う。たしかに、四季で山の方の色が変わるのは面白いけど、いつも大体同じ感じになるんだ。
海来明日音
それでさ…

















話し込んでいると、日が傾いていた。
そして、明日音はそろそろ帰ると準備を始めた。
あなた
ねぇ明日音、また明日も会える?
もし良かったら何だけどさ。
海来明日音
もちろん!どうせ学校帰ってきたらやる事なんてあんまりないし。
あなた
そうなの?部活とかは?
海来明日音
今帰宅部なんだ。そっちの方が活動しやすいと思って。
あなた
へぇ。そういう考えもあるんだ。
海来明日音
そそ。面倒な人付き合いはなるべく避けたいんだよね。
あなた
うん…
会話を伸ばしたところで、明日音が帰ってしまうのは変わらないのに少し寂しく感じてしまう。
彼のいる街の様子をもっと知りたい。明日になってしまうのがもどかしい。
どうしたって…
海来明日音
?どうした、寂しくなった?
冗談めかして明日音は言うけど、図星をつかれてしまった。
恥ずかしくて返事を躊躇っていると、明日音の表情も少し恥ずかしそうに頬を染めていた。
…もしかしたら、夕日のせいかもしれないけど。
少しでも、楽しかったことを伝えなきゃだと思っているのに、それに相応しい言葉が出てこない。
あなた
ありがとう。
この一言に頑張って気持ちを込めた。
海来明日音
うん。そんな寂しがらないで!
ちゃんと明日会おう。これが達成出来たら次の約束をしよう。
あなた
うん!じゃぁ、明日。
海来明日音
明日。16:00までには居れるようにするよ。
勉強はちゃんとやるんだぞ?
あなた
わかった。気をつけて帰ってね。
また。そういって明日音は潮風が吹くようにスッと消えてしまった。
どんなふうに帰るのか想像がつかなかったから、だいぶ驚いた。そのあと、少しだけ岩陰とかに隠れていないか明日音を探したのは彼には絶対に内緒だ。
あなた
また明日か。いいな、こんな約束久しぶり。
僕は、勉強をするために来た時と同じように自転車で帰っていく。

防波堤には潮風が優しく吹いていた。
作者
四話完結
次回、「また君に会えた」

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