第105話

ドッキリ
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2024/01/11 10:00
you side


駿が戻ってすぐ、


藤原「…」


『丈くん、』


藤原「もしかして、やめるとか言う?」


『なんでわかっちゃうねん笑』


藤原「そりゃ、みんな泣いて戻ってくるんやもん、なんとなくわかるわ。」


『さすがやな、…そう、やめる。』


藤原「んで?そのあとはどうするん?」


『えーせやな、どうしよ、吉本とか入ろうかな()』


藤原「は?俺、まじめに聞いてんねんけど。」


『ごめんごめん、実はまだちゃんと決めてへんねん。』


藤原「そんな状態でやめる?冗談やろ、お前そんなやつちゃうやろ。」


『まあ、多分このまま女優としてやっていくんちゃう?』


藤原「事務所は?どうするん?まさか独立するとか言わんよな、今の忙しさで全部自分でやるとか無理やろ。」


『んー、ワタナベとか入ろうかなー。』


藤原「なんでそんな適当なん?事務所は、お前にとってそんな簡単に捨てられるもんなん?」


『別にそういうわけちゃうけど、』


藤原「俺は絶対賛成できんからな。」


『珍しいやん、丈くんはいつも私の考えを尊重してくれてたのに。』


藤原「あなたがちゃんと考えて決めたことなら尊重するで。でも、今のあなたは応援できん。」


『私がちゃんと考えてないって言いたいん?』


藤原「考えてへんやろ、辞めたあとのこともちゃんと答えられてへんくせに。」


『それはこれから考えるねんて。』


藤原「それがちゃんと考えてへんのやろ。…一応聞くけど、ドッキリとかやないやんな?」


『…ないです。()』


藤原「ほんまに?もしこれでドッキリでしたとか言ったら分かってるやろな?」


『…ういっす。(』


藤原「じゃあ、最後にもう一個聞くけど。意思、変える気ないんやな?」


『ない。』


藤原「…あっそ、じゃあもう勝手にしいや、俺は知らん。(ばたん」


うっわー、丈くんめちゃくちゃ怒ってもうたやん。

これ絶対ネタばらししたら私殺されるやつやん。

あと1人、なんやけど1番騙したくない相手やねんな。


大橋「…」


『きてくれてありがとう、大橋。』


大橋「っ、嫌や、聞きたくない。」


『まだなんも言ってへんやん笑』


大橋「絶対いい話じゃないやん、みんな泣いてたし。」


『嬉し涙かもしれんやろ?』


大橋「それやったら丈くんがあんな顔せえへん。」


『さすがに誤魔化せへんか笑』


大橋「…あなたは、ずっと俺と一緒にいるやんな?」


『っ、ごめん大橋。』


大橋「嫌や!なんで謝るん!俺と一緒におるやろ?」


『ごめん、…私辞めるねん。』


大橋「あかん、お願いやから行かんといて、お願い。」


『もう、決めてもうたから。』


大橋「勝手に決めんといてよ。ずっと一緒やって、約束したやん。」


『ごめん…』


大橋「あなたにとって、俺との約束はどうでもよかったん?あなたのこと、大切だと思ってたのは俺だけなん?」


『ちゃう、それはちゃうよ。』


大橋「じゃあ!なんで約束破るん?一緒にいてや。」


『ごめん、』


大橋「嫌や、絶対嫌や。」


『…話、それだけやから。もう戻ってええよ。』


大橋「嫌や!離さへん!」


『っ、和也。ほんまにごめん、でも、大好きやで。』


大橋「なんや、それ…」


私の腕をつかんでいた大橋の力が抜けた瞬間に

大橋の手を離してその場を離れる。


『っ、ごめん大橋ぃ泣』


スタッフさんから大橋が楽屋に戻ったという報告を聞いたあとで

表に “退所願” と書かれた紙を握りしめて楽屋に向かう。

あ、ちなみに中には “ドッキリ大成功!” って書いてあるんやで!?

さすが辞めへんよ!?()

一応ノックして楽屋のドアを開けると、

そこはもうすっかりカオスで。(

年下組は泣いてるし、年上組も一応慰めてるけど

大吾と大橋は顔ぐちゃぐちゃで、丈くんは怒りと悲しみ混ざった顔してて。


大橋「あなた…」


『あのー、退所願書いたんやけど、これでええか見てくれん?』


藤原「は?」


『お願い、な?』


そういうと渋々私の紙を受けとる丈くん。

そして紙を開いた瞬間、


藤原「はぁ?」


西畑「なに、どうしたn、え?」


大橋「え、え、」


長尾「ちょっと待って、」


駿「ドッキリ、」


大西「大、成功?」


高橋「ん???」←


『ドッキリ大成功!!』


大西「てことは…」


『辞めたりしない!』


大橋「ええ!」


『あ、ちなみにこれなにわTubeの企画やで。』


西畑「ほんまや、スタッフさんおるやん!」


高橋「ええーまじか、、」


長尾「とりあえず良かった…」


駿「ああもう…」


ということでネタばらししてから30分後

ただいま私は楽屋で正座です

え、なぜかって??


藤原「ほんまっになー、ドッキリでもなんでも…」


『だって仕事やったから…』


藤原「え?なんて?」


『ナンデモナイデス』←


丈くんのお説教をしばらく受けて、やっと解放されましたとさ。

やっぱりドッキリするんちゃうかったー!

ちゃんちゃん。


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