神ちゃんと別れて電車に乗り込む。
駅が過ぎるごとに人数が減ってって、やけに静かになった車内。
おかんがくれた赤いイヤホンをつけて、曲を聞きながら外の景色を眺める。
7人のルームシェアは上手くいくことになって、
家も淳太君と濱ちゃんが見つけてくれた。
引越は来週。
何かあった時のために、僕の家に1番近い場所を見つけてくれたんやけど、それでも電車で移動する距離。
どんどんと見慣れた景色になっていく外を見つめながら、これまでのことを思ってた。
そういやオーディションに行く日、おかんはほぼ電車に乗ったことがない僕を心配して着いてきてくれた。
「落ち着いてやるんやで?」って、電車の中では僕よりおかんの方が緊張してた。
レッスンの日は毎日、張り切って弁当を作ってくれた。
おとんもおかんも、いつも僕を応援してくれた。
辛いことがあっても、家に帰ればいつもほっとした。
また頑張ろうって、思えた。
何度も見たこの景色にも、いろんな思い出がつまってて、
涙が溢れそうになった。
僕がここまで来れたのは、家族が支えてくれたから。
6人がいつも、隣にいてくれたから。
薄暗くなった頃に家に着くと、おとんとおかんが玄関で待っててくれた。
ー「大毅、お疲れ様!」
そう言って抱きしめて迎えてくれた。
おとん、おかん、これまで本当にありがとう。
明日からは、恩返しができるように、頑張るからね。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。