僕の突然の「ありがとう」に、神ちゃんは一瞬驚いてたけど、
でも、すぐにニコッと笑った。
そう言って。
神ちゃんはそう言った後、少し俯いて、頭を掻いて、僕を見た。
そう言ってはにかむ笑顔に、じんわりと胸が熱くなる。
そう言って、「でも」と付け足す。
言いながらなぜか泣きそうになって、やから笑ってごまかすと、
神ちゃんは「何言うてんねん!」って言いながらも涙が滲んでた。
鼻をすする音が響いて、「なに泣いてんねやろうな、俺ら」って言いあいながら笑う。
何度も歩いた道を振り返ってそう言うと、神ちゃんは大きく頷いてくれた。
きゃっきゃはしゃいだあの日も、
しりとりしながら帰ったあの日も、
一人で寂しかったあの日も、
雨の中びしょ濡れやーって笑いあったあの日も、
真剣に話したあの日も、
全部、宝物。
神ちゃん、
ありがとう。
神ちゃんと出会えて、
それだけで僕は、
生きててよかったって、思うんだよ。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。